2009年5月2日21時30分
電算システムの開発が遅れたために定額給付金を現金で渡すことにした千葉県我孫子市で、給付初日の2日、市役所に約4千世帯が詰めかけた。機動隊が出動したり、職員が熱中症への注意を呼びかけたり。周辺は観光地さながらのにぎわいとなった。
市は午前7時から整理券を配布した。2番目だった男性(70)は「炎天下で待つのはいやなので朝5時50分に来た」。午前9時半から開始する予定だったが、30分前には約700人が集まったため開始を早めて窓口を開けた。20カ所の窓口の後ろに出金機10台を置いて1件当たり3、4分でさばいたが、それでも最長で2時間待ちとなった。
周辺には、県警が機動隊員と我孫子署員約30人を配置して混乱に備えた。庁舎前には「ひったくり注意」ののぼりも並ぶ。折からの好天に木陰を探して座り込む家族連れもいて、職員は汗だくになりながら「熱中症に気をつけて下さい」などと繰り返した。
同市の給付対象は約5万5千世帯。この日は午後6時まで受け付け、支給額は、一緒に支給される子育て応援特別手当を含めて約1億8千万円に上った。
定額給付金の現金給付をめぐっては、鳥取県倉吉市でも3月、市民約300人が殺到して窓口での即日給付を一時中止。4月に始めた福島県郡山市でも、待たされた市民から「早く手続きしろ」と声が上がる一幕があった。(永井啓子)