新型インフルエンザが県内で流行した際、保健所の指示で感染者が門をたたく「発熱外来」について、佐伯市医師会(小寺隆会長)が「医師や看護師みんなで負担を共有しよう」と合意した。輪番制の導入など、細部は今後詰める。外来は県内16カ所(佐伯市1カ所)でスタート、まん延期には48カ所(同4カ所)が予定されているが、特定の医師任せにしないシステムとして注目を集めそうだ。
感染まん延期には医師らも感染するなどし、通常の6割程度のマンパワーしか得られない可能性がある。一方、市内の病院9カ所、診療所60カ所には医師計142人(06年12月現在)がおり、「みんなでカバーし合えば、難局でも乗り切れる」と考えた。他院から医師が出張してくるほか、まん延期に保健所の代わりに担う電話対応も早め早めに実施したいという。こうした動きは中津市医師会などにも広がっている。
佐伯市医師会の桑畑真人理事(感染症担当)は「特定の人に押し付けず、みんなで担うことで、迅速に対応できるし、感染拡大抑止にもつながる」。同市の井上雅公・県医師会理事は「大流行でベッド数が足りなくなれば、結局はすべての医療機関で入院対応することになる。早い段階から主体的にかかわることで、市民に不自由な思いを味わってもらわずに済む」と話している。【梅山崇】
毎日新聞 2009年5月2日 地方版