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郵便法違反:日本郵便幹部ら立件へ 故意に違法DM見逃す

 障害者団体向け割引制度が悪用された郵便法違反事件で、大阪地検特捜部は、制度の適用要件を満たしていないと知りながら大量の違法ダイレクトメール(DM)発送を許したとして、郵便事業会社(日本郵便)の幹部や社員数人について、連休明けにも同法違反容疑で立件する方針を固めた。社員らが故意に許可したと判断した模様だ。制度を管轄する郵便側の刑事責任も問う見通しになった。

 特捜部によると、社長らが逮捕された広告会社「新生企業」(現・伸正、大阪市)は07年2月、家電量販会社「ベスト電器」(福岡市)のDM約210万通を日本郵便新東京支店(東京都江東区)などから発送。06年4月~08年10月は、通販会社「ウイルコ」(石川県白山市)のDM約690万通を新大阪支店(大阪市)から郵送した。

 1回の持ち込みは1万~30万通。すべて障害者団体の刊行物を装い、1通120円が8円になる割引制度が適用された。「有償購読者が8割以上」などが要件だが、ベスト電器などの顧客に無償で送られていたという。

 一方、DM用に名義を貸したとして逮捕された障害者団体「白山会」(東京都文京区)会長、守田義国容疑者(69)が、支援する民主党の牧義夫衆院議員(51)=愛知4区=に対し、「昨春ごろ、新生企業のライバル社の動きを抑えられないか相談した」という趣旨の供述をしていることが、関係者の話で分かった。牧議員は昨年5月、国会で、ライバル社がかかわった刊行物を取り上げ「社会福祉の名を借りた商売が横行している」と批判していた。

 特捜部は拘置期限の6日、新生企業社長、宇田敏代容疑者(53)ら10人を同法違反罪で起訴する。【林田七恵、久保聡】

毎日新聞 2009年5月1日 11時25分(最終更新 5月1日 12時45分)

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