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清水由貴子さん、最後まで母介護

 清水由貴子さんが自殺した富士霊園の入り口で会見に応じる元マネジャーの富士原光男氏=静岡県内
 清水由貴子さんが自殺した富士霊園の入り口で会見に応じる元マネジャーの富士原光男氏=静岡県内

 父親が眠る静岡県小山町の富士霊園で20日に死亡していた元タレントの清水由貴子さん(享年49)が死の直前まで献身的に母親を介護していたことが22日、分かった。ポリ袋や洗面器、洗剤など硫化水素自殺のための道具を用意し、パートタイマーを務めていた会社も「辞める」と妹に話すなど、計画的自殺だったことが明らかになる一方で、霊園に向かうタクシーを待機するよう依頼するなど、最後に自殺を思いとどまった形跡もあった。この日、長年マネジャーを務めた富士原光男氏(57)が同町内で会見。無念の思いを語った。

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 8歳の時に他界した大好きな父。その墓石の前で冷たくなっているのを発見されてから一夜明けた22日、清水さんの死の直前の様子が明らかになった。

 タクシー運転手らによると、清水さん母娘は20日午後3時30分ごろ、JR御殿場駅で乗車。同50分ごろに霊園手前で母親(84)のトイレ休憩も兼ねて一度下車。清水さんは父の墓前に備える花と線香を買い、介護の必要な母の排便を献身的に世話していたという。トイレ休憩は約30分かかり、「お母さん、たくさん出てよかったね」などと優しく声をかけていたという。

 残された状況は覚悟の自殺を物語る。しかし、運転手に「帰りはどうしますか?」と聞かれ「霊園で待っていてください」と一度は往復の乗車の意思を伝えており、当初は自殺をためらっていたとも受け取れる。ところが、同4時25分ごろ、墓地で下車する際、「時間がかかりそう。やはり精算してください」とキャンセル。死亡推定時刻は下車後約30分。父の墓前に着くとすぐに自ら命を絶ったと思われる。

 運転手に代わり取材に応じたタクシー会社の社員によると、清水さんは、テレビで見るイメージそのままの明るい表情だったという。

 デビューした1977年から2006年3月まで在籍した芸能事務所「芸映」でマネジャーを務めた富士原氏によると、最近になって、妹の良子さん(42)に、「仕事を辞める」と話していたという。糖尿病と腎臓を患い、目もほとんど見えなくなっていた母を支えるためのパートだったが、これも覚悟の表れだったのだろうか。

 清水さんの遺体のそばには、A4ノートを破った“遺書”があり、「消防に通報して」「ガス発生」など、最期の瞬間まで周囲を気遣う文字がつづられていた。






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