深く、身近に新紙面

 朝日新聞の紙面が3月30日から変わりました。「深く、身近に!」がキーワード。注目のインタビューや論争を掘り下げるオピニオン面を大幅に拡大するほか、従来から積極的に取り組んできた環境、教育、医療の3分野をさらに充実させます。土曜夕刊には子ども向けの「ニュースがわからん・ジュニア版」も登場。週末別刷りbeは土曜日にまとめ、読みやすくします。読書面はより魅力的に、テレビ面はより分かりやすくなります。ご期待ください。(紹介は東京本社発行の紙面を基本としています)


  

オピニオン面=意見の広場=大幅拡充。混迷の時代に考える手がかりを。

 オピニオン面は各界の専門家や識者の意見(オピニオン)を紹介するページで、今回の紙面改革の目玉の一つとして、量、質ともに大幅に拡充します。掲載は水、木、金、土、日曜の5日間で、紙面を上から下までフルに使い、「声」欄と見開きとなります。

 政治も経済も混迷する今の時代をどうとらえたらいいのか。オピニオン面はその「道しるべ」になりたいと考えています。

 春からの具体的な新企画をご紹介すると、まず、研究者や経済人らと新聞記者とが丁々発止の議論を繰り広げる「衆論(しゅうろん)」。日本の政治、世界経済、オバマ米大統領、社会・メディア問題などについて問題提起し、評価し、提言します。

 世の中で批判を浴びている人、少数意見を持つ人に光をあて、じっくりインタビューして言い分を聞こうじゃないかというコーナー「異議あり」も新たにスタートします。

 紙面が広がったぶん、著名人の大型寄稿やインタビューをたっぷりと読んでいただこうというのが、これも新設の「オピニオンスペシャル」です。

 これまで好評をいただいてきた「耕論」、寄稿などを掲載する「私の視点」も、さらにパワーアップ。「視点」には新たに「記者の視点」欄を設け、読者や識者と記者とが紙面上で意見を闘わせるのも新しい試みです。

 これまで各面にあったコラムが今回、オピニオン面に集結。本社コラムニストらによる「ザ・コラム」シリーズ、政治担当編集委員や経済担当編集委員のコラムなど充実のラインナップ。さらに、1984年から25年間続く天野祐吉さんの「CM天気図」も、オピニオン面に引っ越してきます。

 また、「声」欄は、これまでと同じように毎日掲載。レイアウトを一新し、いっそうすっきりと読みやすくなります。連載小説も連日、「声」欄の下に定位置で掲載します。(オピニオン編集・青木康晋)

週末別刷り「be」は土曜まとめて20ページ。好評連載プラス役立つ新企画が続々。

 土曜日と日曜日に4種類発行している週末別刷り特集「be」は、土曜日の青と赤の2種類に再編・集約し、より内容を充実させた紙面に生まれ変わります。時代の先端で活躍する人物に焦点をあてる「フロントランナー」や「うたの旅人」「サザエさんをさがして」「逆風満帆」「beパズル」のほか、緑のbeに掲載中の「ナントカ学」「ののちゃんのDO科学」「元気のひけつ」といった人気コーナーは継続しつつ、新企画も続々登場します。

 12ページに拡充する「青のbe」では、読者アンケートや専門家の意見などで選ぶ大型ランキング記事、売れ筋商品の紹介、金融・税務のプロによる家計相談、役に立つ金融商品情報、読者の悩みに識者が答える人生相談、デジタルカメラ撮影術、エクセルの使いこなし講座などがスタート。抜き取り保存できるようにした「週間テレビ案内」は、番組紹介を充実させると同時に、これまで別のページに分かれていた地上波とBS放送の番組表を同じページに掲載して見やすくします。8ページの「赤のbe」では、新しい料理企画や、食にまつわる作家のエッセー、読書好きにお薦めのブックガイドもお届けします。今まで以上に親しみやすく、生まれ変わるbeにご期待ください。(be編集・高田覚)

昭和時代の新聞報道を検証する年間大型企画がスタート。

 2009年は「昭和」が終わって20年の節目の年。激動の64年間だった昭和時代の朝日新聞の報道は、歴史に耐えるものだったか。それを自ら検証することを通じて、昭和史の実像に迫る長期企画を1年間にわたり掲載します。

 企画の中心は、夕刊で3月30日から始まる年間連載です(統合版は朝刊で3月31日付スタート)。夕刊2面に月曜から金曜まで週5回、計250回程度掲載します。昭和の主な出来事から「昭和恐慌」「日米開戦」「8月15日」「高度成長と公害」「ロッキード事件」「バブル経済」など約30のテーマを選び、それぞれ5〜10回ずつ、朝日新聞はどう報じ、何を報じなかったかを検証します。

 このほか朝刊でも3月下旬から来年3月まで月1回程度、「○○の昭和史」と題した特集記事を掲載します。「教育」「女性」「サラリーマン」などのテーマごとに、昭和の64年間を通じて報道がどう変遷してきたかを振り返ります。

 今回の企画の特色は、取材チームに記者だけでなく、入江昭ハーバード大名誉教授ら歴史学者3人も加わっていることです。「世界史の中の昭和」という視点を基本に、学者と記者が共同で検証作業を進めます。(昭和報道検証プロジェクト・金光尚)

地域面一新。首都圏は「地元紙宣言」。週2回の沿線版、1回の首都圏版登場。

 地域面がこの春、大きく変わります。昨年実施した読者調査を基に、これまで以上に、読者の目線に立った、より身近で役立つ情報をお届けします。なかでも首都圏地域には、「沿線版」と「首都圏版」が新たに登場します。

 毎週木曜日と土曜日の週2回、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城)の第2地域面に「沿線版」がお目見えします。鉄道網の発達した地域です。都県境を越え、JRや私鉄の主要幹線沿いに、生活圏に密着した記事を掲載していきます。人気スポットを取り上げる楽しい読み物のほか、都心や首都圏各地の週末情報も登場します。

 人口3800万人、予算規模12兆円と、一国を上回る巨大なスケールを誇る首都圏。魅惑的なメガロポリスに住む人々の暮らしぶり、生き様など大都会の鼓動を余すことなく伝える新感覚マガジン、それが4月にスタートする週刊の首都圏版です。毎週金曜日、1都4県で起こる様々な出来事に、朝日新聞記者が独自の臭覚で迫り、切り込みます。洗練さと猥雑さが混じり合う大都市ならではの問題を追い、そこに交わる人々を臨場感たっぷりに伝えます。(地域報道グループ・土屋弘)

be―eveningは夕刊2ページに繰り上がって掲載。子ども版ニュース解説登場。

 読者の一日の疲れを癒やし、明日のくらしへの楽しみや肥やしにしていただく狙いで朝日新聞夕刊で毎日展開している「be-evening」は3月30日付より、東京本社版では、1面の裏の2ページ目からのスタートと装いを新たにし、より親しんでもらえるようにみなさまに近づいてまいります。

 木曜フロント面(夕刊2ページ目)では、緑や土にふれる豊かなくらしをテーマにした大型コラムを新設します。昨今関心の高いガーデニングや週末農業、ハーブを題材に、楽しむコツをお伝えしていきます。

 エンターテインメント盛りだくさんの金曜はフロント面以外のページをジャンルごとにまとめます。「映画」「古典」「ポップス」「演劇を主としたステージ」4ジャンル。特にポップスは10〜20代の若い世代が注目する国内アーティストを中心に取り上げ、他の世代の「今、何が流行ってるの」の疑問も解消できるヒットチャートも掲載します。フロント面は各ジャンルの乗り合い面。旬な人の大型インタビューと、これまで映画だけだったプレビュー評もジャンルを超えて取り上げていく予定です。

 「学ぶ」をテーマとする土曜では、3ページ目に日本や世界の最新ニュースの意味をやさしくかみくだいて、主に小学校高学年以上の子どもたちとその親のみなさまに、ご一緒に読んでいただこうという大型ニュース解説「ニュースがわからん・週末ワイドジュニア版」(仮称)を新設。朝刊2面の人気コーナー「ニュースがわからん」の子ども向け版です。また、主に昭和期に起きた事件や出来事の現場を改めて歩いた記者とともに現代史を学び直そうという大型歴史企画や、教育問題について読者のみなさまのご意見をアスパラクラブを通じて集めて紙上でたっぷり紹介していく大型フォーラム企画が、それぞれ新たに登場します。

 いまなお活躍する有名な人々に、半生を振り返りながらいまの世の中にメッセージを発していただく月曜〜金曜の人気インタビュー連載「人生の贈りもの」では、月曜と火曜の掲載スペースを大きく広げ、写真・内容・分量ともにさらに充実させます。テレビでもおなじみのジャーナリスト池上彰さんによる人気コラム「新聞ななめ読み」は、月曜夕刊の3ページ目と、より読みやすい位置に移して掲載します。(夕刊be編集・松村茂雄)