来月3日の憲法記念日を前に、28日、護憲を訴える路面電車が運行を開始したほか、平和団体が声明を発表した。改憲手続きを定めた国民投票法の施行まで1年強。憲法や平和について、さまざまに考える大切な1年となる。
平和や生存権の堅持を訴えるメッセージを車体に書いた土佐電鉄の路面電車「平和憲法号」1両が完成。土電本社(高知市桟橋通4)で、出発式があった。約2カ月間、高知市内を中心に土電の路線全域で運行される。
県内の労組や平和団体などでつくる「平和憲法ネットワーク高知」などが企画し、今年で3回目。
電車の両側に「守ろう9条・25条を!!」、扉の部分には「平和憲法は世界の宝」と書かれている。昨年までは9条だけだったが、今年は経済情勢の悪化に伴う非正規労働者の「派遣切り」などが相次いだため、国民の生存権を規定した25条の堅持も盛り込んだ。
この日、約30人の参加者たちがテープカットをして出発を祝った後、電車に乗り込んだ。平和憲法ネットワーク高知の北村良平・代表委員は「政府は海賊対策によるソマリアへの自衛隊派遣を強行するなど、憲法改悪が始動しようとしている。電車を契機に平和のネットワークを県内に浸透させたい」と話していた。【服部陽】
毎日新聞 2009年4月29日 地方版