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ちしきの金曜日
 
「テトぐるみ」がかわいい

■それは打ち寄せる波のように

さて、こんなものを100個作る羽目になる経緯を。さいしょは常識の範囲内で作っていた。例の型紙を元に手作りで。


当初はおとなしく手作りでちまちまと。いろんな大きさとか色とか手触りとかで作ってみたり。一番右の大きいやつはカシミア入り。なめらかポッド。

なかの綿どうやって詰めようか。あ、ファスナーにしてみる?とか。

うーん、やっぱりファスナーは邪道かなー、とか。

邪道も何もないもんですが。

いやいや、重要だよ。やっぱりなんせ彼らは波を消す方々だから。そんな重要な任務を波打ち際で負ってるものをかたどるんだから、過度にかわいいとかは邪道なわけですよ。消波ブロック好きにとっては。

あくまで「消波ブロックをリスペクトしたぬいぐるみ」であって、「ぬいぐるみがたまたま消波ブロックの形してる」じゃないのです。これ、大事。

だから布選びも「コンクリっぽいかどうか」が重要。日暮里の布問屋において、小林氏と杉浦氏のあいだで「これはコンクリっぽいかどうか」の議論が日夜行われていたと聞いています。

とはいえ、こうやって当初はあくまでテトラ趣味の範疇だったのだ。が、自体は思わぬ展開へ。そう、それはまるで打ち寄せる波のように。

■気がついたらぬいぐるみ業者さんに発注してた


業者さんと打ち合わせ。ノウハウは生かされるのか?

一線を越えた。業者さんに発注。もう戻れない。

100個って、趣味で作るには大量だけど、業者さんに発注するには少ない。世の中はテトぐるみにやさしくない仕組みになっている。

品質良く、少ないロットで、でもなるべく安く作ってくれる国内の色んな業者さんを廻ってやっと実現した。小林さん、7〜8社くらい廻ったようだ。

というか、ぬいぐるみ業者さんとの打ち合わせで出てくるキーワードが

「コンクリ感が」

「カタマリ感が」

「ピシッと感が」

「パンパン感が」

「固そうな感」

という、およそ、通常のぬいぐるみ制作の打ち合わせでは出てこない言葉の数々。それはほんとにぬいぐるまなきゃダメか、って思ってたと思うよ。

結果、工業製品的な飾りっけ無しのフェルト素材をチョイス。

前ページ冒頭の写真でお分かりいただけると思うが、カラーは2色。打ち立てのコンクリートの初々しい薄いグレーと、波に程良くもまれた経年劣化色バージョンの2つだ。これもこだわりだ。


シンプルといえば聞こえが良い、なくてもいいんじゃないか、と思うほどの設計図を提出した小林さん。

たぶん業者さんにしてみれば腕の振るいようもないシンプルな案件だっただろう。しかし、考えてみればシンプルさは、現場施工する消波ブロックとして優秀であることの証だ。

 

■こうしてできちゃった100個のテトぐるみ


届いた箱いっぱいのテトぐるみ。嬉しい悲鳴。どうしよう、これ。

ともあれ、まずたくさん並んでいる光景を撮りたい。でも家じゃできない。日本の住宅というのは100個のテトぐるみを並べられるようにはできていないので。

どこか、インテリアショップにお願いしてみよう。


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