■フォルムの洗練され具合を実感
ペーパークラフトなどほとんど作ったことのないぼくだが、テトラポッドのそれを作るのが難しいことは予想できた。試行錯誤の経緯は退屈なので省略するが、最終的に行き着いたのは4本の足を別々に作り、組み合わせるというやりかたである。
この4つの足を、糊を使わず絡ませるように組み合わせるやりかたは我ながら賢いと思った。実際の作り方とはまったく異なるが、この作り方の試行錯誤を通してあらためてテトラポッドの造形の妙を再認識した。いやほんとすごいよ、テトラポッド。神が宿ってるよ。
■思ったより難しい。制作時間もかかる。
ひとつだけいいわけをさせていただくと、テトラポッドらしさを演出する足の先の面取り部は、今回省略した。いちど試作してみたのだが、その制作のたいへんさにおののいたのだ。なぜなら、テトラポッドは大量にあってこそ。ひとつだけなら複雑なのもよいだろう。しかしたくさんつくってかつ記事にして入稿を間に合わせるためにはあるていど省略しなくてはならない。夢のつまったミニチュアテトラポッドだが、そんな大人の事情もある。いや、大人の事情っていうかぼくがいつも間際まで作業しないのが悪いんですが。
さいしょは100個作ろうと息巻いていたが、とうてい無理だった。設計に半日、ようやく10個作り上げたのは午前4時だった。
でもすごくかわいい。ちょうかわいい。なんでテトラポッドってこんなにすてきなんだろう。この興奮は徹夜のせいじゃないはずだ。
手に乗るよいサイズのテトラポッドのペーパークラフト。これを「手のりポッド」と名付けたい。
■みなさんも作ってみてください
波を消すためにデザインされた結果、なんともいえない美しさを獲得したテトラポッド。その本来の機能そっちのけでただただ形だけを再現した手のりポッド。この倒錯具合も良いと思う。
「手のりポッド」のデータをPDFで用意しました。みなさんも作ってみてください。