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【政治】

河村氏、10%減税実現に荒波 

2009年4月27日 09時42分

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 名古屋市長選は26日に投票、即日開票され、無所属新人の前衆院議員、河村たかし氏(60)=民主推薦=が、自民、公明支持で元中京大教授の細川昌彦氏(54)、共産推薦で愛知県商工団体連合会長の太田義郎氏(65)ら3氏を大差で破り、初当選した。主要政党の相乗りが崩れ、国政の2大政党が激突した選挙戦は、「市民税10%減税」など大胆な変革案を掲げた河村氏が独走。28年ぶりの「脱相乗り」体制での市長の座に就く。

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 名古屋市長に初当選した河村たかしさんが「全国初」として掲げた最大の公約は、「市民税の10%減税」と「地域委員会の創設」だ。6月の市議会にも関連議案を提案したい考えだが、議会や市役所内で、こうした政策への反発も強く、船出早々に荒波に直面することになる。

 個人・法人市民税(2009年度見込み2355億円)の10%を減税する構想では、1人あたり年間1万5千円、法人は1社10万円程度、負担が軽くなる計算。消費の喚起に加え、「役所のうみをあぶり出す」狙いもある。ただ、もともと非課税の低所得者層に恩恵がなく、国や県の補助金を削られる可能性がある−と批判された。

 「地域委員会」は小中学校単位に、選挙で選ばれた数人に年数億円の予算や権限を委ねる。福祉や防犯、街づくりなどの使い道を決めるが、不正や不公平をどう防ぐか。市議会の存在意義も問われ、反発は根強い。

 市議会(定数75)の勢力は、推薦を受けた民主系が計28人と最大。だが、対立候補を立てた自民、公明、共産を合わせれば45人と過半数を上回る。民主系は少数与党となる上、民主内部でも離反の動きが出ている。

 「わしの政治の理想を貫くだけ。この1年が勝負」と河村さん。ただ、提案が否決を繰り返されれば公約実現は遠く、求心力が揺らぎかねない。

(中日新聞)

 

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