PCをリカバリしてたらこんな画像が・・・
ファミリアGTRの12年間に及ぶ塗装検証結果です。
別に、塗装前と塗装後ではありません。(笑)
第一世代目のガラス樹脂コーティングです。
この時代は主に、ポリマーやWAXが主流の時代でした。
この当時のガラスコーティングは扱いが難しく、蓄熱が大きい場所は伸縮に追いつかず
蜘蛛の巣状に割れてしまう事が多々あり、現在のガラスコートへ変化しました。
当時、首都圏のヤナセさんなどで勤務していた方は記憶にあるかと思います。
画像右は、量販店WAX(3000円前後)での一般的なメンテンスです。
90年代は、○ナ○リドンや○リ○系顔料などが主でした。
当時対照的だったのが、マツダとトヨタの赤系塗装です。
本田やマツダとは違い、トヨタは途中から赤の意匠変化を行いました。
本田とマツダ=スポーツ系(光沢発色)
トヨタ=セダンより(艶トーン発色)
と重要視するターゲットが変わった事が赤でよくわかります。
黒系が難しいと・・・未だ言う業界プロがいますが・・・(苦笑)
私は黒系が一番簡単だと今も昔も思います。
傷やムラが良く見えると言うことは精密に仕上げられると言うことになります。
逆に白などの淡色系は、膨張色なので精密に仕上げられない(見えない)です。
顔料反射率が高いので、手抜きでも綺麗に見えます。
ですから、水垢がつきやすくなると言う事が要因としてひとつあります。
水垢がひっかかかるぐらいの肌でも光沢があると言うことです。
本当に難しく技術者の差が出るのは・・・1Kの赤と黄色です。
ただ、海外とは違い日本ではほとんど売れないカラーなので実感しないだけです。
私たちの業界には一見して一般の方には解り難いですが3つに分かれます。
1. コーティング屋(板金塗装・GS・販売業など)
2. 磨き屋(一般的専門ショップ)
3. ディティールショップ(復元やショーカーなどを対象としているショップ)
これらは、掲げているわけではなくショップの知識と作業者レベルでかわります。
3→1へ落ちるほど一般ユーザーの感覚に近くなります。
もし、貴方の現在の知識が1〜3のどの人から聞いたのか?教わったのか?で変わります。
2や3の作業者が、1の作業者を見たときに「・・・。」となります。
2の作業者が3を見たら「商売にならない」と感じます。
2と3の違いは、「魅せる仕上げ=3」「現状維持=2」です。
3の作業者は、リスクを背負って目的のための施工をします。
ショーカーなど、展示&撮影専用に仕上げる事・・・すなわち塗装を痛めつける事。
展示デモ車両は、一般用途とは異なるのでできる事があります。
もうひとつは「復元再生」と言う作業です。
ビンテージカーなどの塗装をオリジナルのまま残す仕事です。
莫大な時間をと費用をかけなくても、オールペンや交換の方が今は確実で安いです。
それでも「目的」があっての作業なので可能なのです。
日本では3の仕事は「皆無に等しい」ですが、海外では存在します。
3の知識や技術がある人が、1や2の仕事をする・・・
ただ1と2しか知らない作業者と同じか?答えはNOだと誰でもわかるはずです。
3の知識を学び、1を本業とする作業者が札幌にもおります。
そこのお店は、個人でありながら設備も至って普通ですが、顧客の数が凄いです。
何百万・・・何千万を投資してブースや機材があるわけでもありません。
プレハブを改造したブースです。
塗る工程は特に差はありません・・・最後の調整が他とは違うのです。
それでいて工期が今までと変わらないか?むしろ早いのです。
とあるブログでも書かれていましたが、無駄が多い割りに仕上がりは・・・
結果として、工程数が多くても、量販店資材レベルでも結果がよければ良いでしょう。
結果として、お客様からのクレームで再入庫などが多く内制化となっていきます。
ディーラーよりも仕上がりが上でなければ、外注の意味はありません。
高品位の仕上げで差別化をする=工程数や投資や時間がかかる
いつの時代の話を未だに思っているのでしょうか?と思います。
ディーラー・中古車販売・整備業全てが先細りの自動車業界です。
今後、1と2の差がなくなると言う事は今の技術を構築していると強く感じます。
今後の塗装化学を見ていくと、1と3しか存在しなくなると予想しています。
Hさんのグループをはじめ、私の周りにいる全国の技術者は新たなシステムが出る度に
それを実感している事ではないか?と思います。
もう1週間かけて泊り込んで磨く車など皆無です。
「磨く=削る」と言う物理行為が塗装が薄くなり、素地が変化し難しくなる自動車です。
傷が付きにくく、汚れ難いメンテンスフリーの塗料開発が進むと言う事は?
一度付いた汚れや傷を除去する事が困難になったり、有機汚れや被害に強くなる事での
無機質汚れ(カルキ・黄砂・アルカリ)への弱体化・・・
それを緩和するために1Kソリッドはここ数年で消滅し、2Kソリッドへ変わりました。
もう顔料を磨いている訳ではなく、202が難しいとかKHが嫌だとか言うレベルではないのです。
極薄のあるのか?無いのか?わからないガラスコーティングとか言ってる時代でもない
2Kソリッド(画像左)・1Kソリッド(画像右)わかりましたか?
ホイールもボディーもSio2・・・クリアー自体がそう変化してきています。
塗装と同性質の「ガラスコーティングで保護!!」はありえないと言うことです。
塗装と真逆の性質物を施工するから「保護&緩和」ではないでしょうか?
耐熱・水・耐刃仕事など、目的作業で手袋を履き替える感覚です。
今後はこの業界技術者に必要なのは美装のコンセルジュ的な感覚だと思います。
何に?誰に?適しているのか・・・幅広い知識力だと感じます。