2009年4月26日22時29分
当選を決めて喜ぶ、河村たかし氏=26日午後9時18分、名古屋市東区、加藤丈朗撮影
当選を決め、祝福の水をかけられる河村たかし氏=26日午後9時20分、名古屋市東区、岩下毅撮影
名古屋市長選は26日投開票され、前衆院議員の河村たかし氏(60)=民主推薦=が、元中部経済産業局長で自民愛知県連と公明愛知県本部が支持する細川昌彦氏(54)、愛知県商工団体連合会長の太田義郎氏(65)=共産推薦=、元遊技場会社員の黒田克明氏(36)の3氏を破り、初当選した。投票率は50・54%(前回27・50%)だった。
81年以来続いてきた国政の与野党第1党による相乗りが崩れ、32年ぶりの対決選挙として注目を集めた。
河村氏は、「市民税の10%減税」を公約の柱として打ち出し、「トヨタ・ショック」の直撃を受け不況に苦しむ市民の共感を得た。自転車で市内を回り、市民に語りかけるという衆院議員時代に5期連続当選を果たした選挙戦のスタイルを踏襲。組織票に頼らない手法で無党派層の支持を多く集めた。
一方、推薦する民主も、「衆院選の前哨戦」と位置づけ、選挙期間中に小沢代表が事務所を訪問したほか、鳩山由紀夫幹事長や菅直人代表代行が相次ぎ名古屋入りした。
細川氏は立候補表明が2月と出遅れたほか、「市民派」を前面に打ち出して政党推薦を求めない方針を貫いたことから、地方組織レベルの支持にとどめた自民、公明の組織票が伸び悩んだ。現職の松原武久市長の全面支援を受け、事実上の「後継」と見なされたことも、市民に受け入れられなかった。