任期満了に伴う四万十市長選が19日告示され、いずれも無所属で、元農林中央金庫職員の田中全氏(56)と、再選を目指す沢田五十六氏(66)の2人が名乗りを上げ、現職と新人の一騎打ちとなった。市民病院の再建や第1次産業の振興、財政問題などが争点となりそう。
立候補の届け出は午前8時半から市役所横の市立図書館視聴覚ホールであり、届け出を済ませた両候補は選挙事務所前で第一声を上げ、1週間の選挙戦に突入した。
投票は26日午前7時~午後7時(旧西土佐村は25カ所で2時間繰り上げ、旧中村市の一部は1、2時間繰り上げ)。同8時15分から市立中央公民館で即日開票される。
18日現在の有権者は2万9830人(男1万3877人、女1万5953人)。【真明薫】
◆立候補者の第一声(届け出順)
田中氏の出陣式は午前9時から、四万十市駅前町の選挙事務所前で始まり、支援者約300人(事務所発表)が集った。
出陣式には民主の武内則男参院議員や岡林俊司・連合高知会長らが出席。田中氏は第一声で、市長選を「閉塞(へいそく)した市政から市民に開かれた新しい市政に変える戦い」と位置づけ、1億円の財政出動による医師確保▽第1次産業を基盤とする新しい地域づくり▽0歳児保育の導入--などの公約を掲げ「市民の目線に立った、市民の生活実感に沿ったぬくもりのある市政に変えていく」と呼びかけた。【千脇康平】
沢田氏は四万十市中村一条通5の選挙事務所前で約400人(事務所発表)を集め出陣式に臨んだ。
出陣式には自民の山本有二衆院議員らが出席。シンボルカラーのオレンジ色のハンカチをポケットに入れた沢田氏は第一声で「いま、地方は財政危機で生きるか死ぬかの瀬戸際にきている。市は合併したことで当初予算も204億円組んだ。県下の中で高知市を除くとトップの座を占めている」などと1期4年の実績を強調。「今後4年間で財政の再建、市民病院の医師確保、救急病院の復活、若者の雇用の場確保を進める」と訴えた。【真明薫】
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田中全(たなか・ぜん) 56 無新
[元]農林中央金庫職員[歴]協同リース大阪支店副支店長▽一橋大
沢田五十六(さわだ・いそろく) 66 無現(1)
市長▽幡多中央消防組合長▽幡多広域事務組合長[歴]経済企画庁調査局長▽旧中村市長▽東大
毎日新聞 2009年4月20日 地方版