2009年04月26日

ディズニーと著作権

2年ほど前、島根県出雲市平田青年会議所様への講演時に、役員の方からこんな話を聞きました。

 

平田地区の子供たちを楽しませるイベントにミッキーマウスを登場させたいと考えたイベント主催者が、版権を有するウォルト・ディズニーカンパニーに「ぬいぐるみを作りたい」と許可を求めたところ、ディズニー側は「聞かなかったことにします・・・・子供たちの夢を壊さないように、ミッキーそっくりにしてくださいね」

 

これがディズニーなのです。教えていただいて、とても心が温まりました。

 

小学校のプールに描いたミッキーを消させたこともありました。公的な場所にディズニーのキャラクターを許可なく描くことを許せば、日本全国の公的施設には、それぞれの思惑での「ディズニーのイメージ利用」が横行することでしょう。

 

ディズニー側は信念に基づき、ミッキーを消させました。描いた子供たちや多くの人々に、他人が有する著作権を侵害しないことの大切さを教えたのです。

 

それでも・・・この話はこれでは終わりませんでした。ディズニー側は、後日ミッキーを描いた子供たち全員をディズニーランドに招待しました。消沈していた子供たちは大喜びだったそうです。

 

このディズニーランドへの招待も、ディズニーでは子どもたちの夢を壊さないための「当たり前のこと」なのです。

 

ディズニーでは、これを「サービスの復旧」と言います。

悲しい思いをさせてしまったり、不手際があったりした場合でも、その後に誠意を持って対応をすれば、ゲストは必ずディズニーランドに戻ってきてくれると信じています。

 

特に、スーパーバイザーがこの役目を担います。バレーボールのように、キャストがコートの外に外したボールを、スーパーバイザーは必至で拾い、コートの中に戻すのです。

 

ディズニー側の誠意を感じてくれたゲストは「前よりもディズニーランドが好きになった」と言っていただけたことも多かったと記憶しています。

 

脇が甘いところもありましたが、私はこの度の想定していた著作権に関する問題も、事後に誠意ある対応を示すことにより理解していただけると信じていました。(法律上、著作権者から事後承諾を頂ければ問題ありません)

 

 「盗人(ぬすっと)野郎」「キチガイ」「バカヤロー」という電話がかかってきます。

ディズニーの常識は、おもいやりマインドが欠落した人の非常識である、そう実感した今回の私へのバッシングであり、残念でたまりません。