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質問なるほドリ:臨床研修制度見直しを府はなぜ問題視? /京都

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 ◇定員に上限、医師減少に直結 今も偏在、北部と南部で平均以下

 なるほドリ 厚生労働省の臨床研修制度見直しを府が問題視しているのはなぜ?

 記者 都道府県別の研修医定員に上限が設定されるからです。府内で274人だった08年度の採用実績を用いた試算では、190人が上限となります。

 Q 30%もの削減だね。なぜそんな大幅に減らされるの?

 A 府内には京都大医学部と府立医大があり、もともと研修医が多く、03年度の採用実績は411人でした。ところが04年度に現行制度が始まって受け入れ病院が全国で増やされたことで268人に減少。07年度は282人でした。

 さらに今回の見直しでは、全国の研修医総数を都道府県別に(1)人口割合(2)医学部定員割合で配分して多い方を定員上限とします。先ほどの試算では府内は(1)160人(2)190人となり、離島などの加算がなく190人が上限となるのです。算定方式は全国一律で、府などは「府立医大、京都大の果たしている基礎研究面の貢献や、他府県への医師派遣の歴史などが考慮されていない」と批判しています。

 Q 研修医が減ることで何が困るの?

 A まず、受け入れ先の病院では研修医も“即戦力”として勤務ローションに組み込まれています。研修期間は2年で、府内では08年度、23の受け入れ病院で計556人の研修医がいました。この23病院の医師全体の合計は約2940人ですから、うち19%が研修医ということです。その減少は病院全体の医師減少に直結します。次に研修医は研修修了後も受け入れ先に定着する傾向があり、府などは将来の医師確保にも影響すると考えています。

 Q そもそも府内は医師が少ないの?

 A 06年12月の厚生労働省の調査では、医療施設で働く医師の人口10万人当たりの数は府内平均272・8人で、全国平均206・3人を上回っています。しかし、六つの圏域別にみると、京都市・乙訓343・8人▽中丹200・4人▽南丹165・3人▽山城北153・1人▽丹後151・6人▽山城南114・4人と偏りがあり、北部と南部では少ないと言えます。

 また、OECD(経済協力開発機構)加盟国平均は約310人で、そもそも日本全体で医師の数が少ないとの指摘もあります。

 Q 定員の上限設定はいつから?

 A 10年度からです。当面は前年度採用実績からの減少割合を1割以内としたり、10年度は09年度の実績を考慮する経過措置がありますが、措置がいつまで続くかは未定です。<回答・太田裕之>

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 〒602-0877 京都市上京区河原町通丸太町上ル 毎日新聞京都支局「質問なるほドリ」係

毎日新聞 2009年4月25日 地方版

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