2009.04.24 Web posted at:  17:34  JST Updated - CNN
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パキスタンが兵士派遣、タリバーン系のシャリア適用地区の拡大

イスラマバード(CNN) アフガニスタン国境に近いパキスタン北西辺境州でアフガンの政権を追われたイスラム強硬派勢力タリバーン系の組織がイスラム法(シャリア)適用の拠点を拡大している問題で、パキスタン政府は23日、問題の地区へ補助軍の兵士を派遣した。

同組織は4月中旬、政府との停戦協定の引き換えに、同州スワートバレー地区にシャリア施行の承認を得た。22日には同地区に隣接するブネール地区に戦闘員を送り、実効支配を宣言していた。現地の法廷を閉鎖し、関連書類を押収してもいる。

タリバーン系組織は4月初旬、ブネール地区のしょう握を狙って進出、地元勢力と衝突し、撤退している。今回の新たな進入は、政府との停戦協定の間隙を狙った動きとも言える。

ブネール地区は、パキスタンの首都イスラマバードから約96キロ離れたところにある。政府による民兵派遣は、同地区の住民、資産保護などが目的だが、23日にはタリバーン系組織と早くも衝突、警官2人が死傷した。

事態の悪化を防ぐため、地元の行政当局者、部族長老、タリバーン系組織の間で協議が進められている。組織構成員が武器類を公然と携帯せず、警察、法廷、学校、病院や非政府組織の活動に干渉しないことで合意したとされるが、詳細は不明。非政府組織事務所が略奪されたり、車を盗んでいるとの情報もある。

パキスタン軍の報道担当によると、同組織はブネール地区の約25%を支配下に置いた。「タリバーン系組織が地区を自主的に離れるか、追い出されるかのどちらかだ」と場合によっては強硬策を打ち出すことも示唆した。

ブネール地区のタリバーン系組織の指導者は22日、パキスタンのテレビ局の取材に応じ、今回の進出はシャリア適用地区を広めるためと強調。一方、パキスタン政府は停戦協定違反と反発している。

北西辺境州ではタリバーンや国際テロ組織アルカイダ系組織の活動が活発で、アフガンへの越境攻撃の出撃拠点ともなっている。米国はパキスタン政府に掃討作戦の徹底を要求しているが、政府は国内のイスラム勢力への配慮もあり、有効な手は打てないでいる。

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