イスラマバード(CNN) アフガニスタン国境に近いパキスタン北西辺境州に拠点を持つ、アフガンの政権を追われたイスラム強硬派勢力タリバーン系の組織は24日、イスラム法(シャリア)適用の拡大を狙い戦闘員などを送り込んでいたパキスタン首都イスラマバードに近いブネール地区から撤退する、と発表した。報道担当が明らかにした。
ギラニ首相が議会で「軍はタリバーン阻止に動く」「保有する核兵器は安全である」などと表明した数時間後の撤退表明となった。政府はまた、タリバーンの進入阻止で、ブネール地区に補助兵士を派遣していた。
ブネール地区は、パキスタンの首都イスラマバードから約96キロ離れたところにある。
同組織は4月中旬、政府との停戦協定と引き換えに、同州スワートバレー地区にシャリア施行の承認を得た。22日には同地区に隣接するブネール地区に戦闘員を送り、実効支配を宣言していた。現地の法廷を閉鎖し、関連書類を押収してもいる。補助兵士との衝突もしていた。
タリバーン系組織は4月初旬、ブネール地区のしょう握を狙って進出、地元勢力と衝突し、撤退している。今回の新たな進入は、政府との停戦協定の間隙を狙った動きとも言える。