バグダッド(CNN) イラク警察は25日、首都バグダッド北方の地域で同日、武装グループがイスラム教シーア派の巡礼者らを銃撃、7人が負傷したと報告した。うち、4人が重傷。
巡礼者はバスに乗り、バグダッドから北方へ約80キロ離れたバラドにある寺院へ向かう途中で襲われた。巡礼者の国籍は不明。襲撃犯の数や組織的背景は不明だが、国際テロ組織アルカイダ系などスンニ派の武装勢力が関与している可能性がある。
イラクでシーア派の巡礼者が襲われたのはこれで3日間連続となった。首都バグダッドにあるシーア派の聖廟近くでは24日、2件の自爆テロが発生、少なくとも60人が死亡した。いずれも着衣に爆弾を隠し、霊廟入り口で数分間の間隔でさく裂させていた。死傷者の多数はイランの巡礼者としている。イランはシーア派が多数派。
また、イラク中部ディヤラ州では23日、巡礼に訪れたイラン人グループを狙ったとみられる自爆テロが発生し、少なくとも55人が死亡、28人が負傷している。首都バグダッドのカラダ地区でも同日、警官を狙ったとみられる自爆テロがあり、少なくとも28人が死亡している。内務省と目撃者らによれば、犯人は女性だったとみられる。
イラクの治安は米軍増派やイラク治安部隊の能力向上などで改善傾向にあったが、4月に入りテロ攻撃が目立ち始めている。駐留米軍の戦闘任務が来年8月までに終了することをにらみ、アルカイダ系武装勢力が攻勢を強めているとも考えられる。