図書館のマナー低下? 港区全ての図書館にICタグ導入
2007年10月1日
港区は6カ所の区立図書館全館で本やCD、ビデオなどの図書館資料全てにICタグを装備することを決めました。図書資料全てにICタグを装備するのは23区では初めてです。ICタグ導入は利用者の利便性を向上のほか、図書館から大量の本が無くなる不明本対策として効果があるといわれています。
港区のみなと図書館をはじめ、港区内にある6カ所の図書館で大量の本が行方不明になっています。去年4月から今年3月までの1年間に行方が分からなくなった本やCDは5691点、金額にしておよそ750万円相当の蔵書などが図書館から消えています。その殆どが正規の貸し出し手続きをせずに図書館から無断で持ち出されたものとみられています。みなと図書館の竹内さんは「正規の貸し出し手続きを踏まないで館外に本を持ち出してどこか別の図書館や駅、ビルの防災センターなどいろんな所に本を置き去りにする人もいる」と話します。
そこで港区では、区内にある図書館の蔵書76万冊全てにICタグを付けることにしました。ICタグで管理することにより蔵書の整理、点検がシステム化され自動貸出機の設置が可能になるなどの利点もありますが、最大の目的は本の不正持ち出しの防止。港区では今年度、モラル無き利用者のためにおよそ2億円を投じて区内全ての図書館にこのシステムを導入することを決めたのです。港区図書文化財課の宮内課長は「もちろん、こんなもの付けない方がいいと私は思っています。ただ、基本的には税金で購入した図書が勝手に持ち出されてしまう、あるいは盗難にあうということですと、図書を預かっている図書館としては出来るだけの事はしておきたい」と話します。
また他にもモラル低下を示すものがあると図書館にある本を見せてもらいました。線がひかれているだけでなくページが切られている本や、本を閉じても本の形になっていないものもあります。ほかにも館内にある雑誌などを中心に切り取り被害も増えています。旅行情報などが書かれた本や料理本などがページごとにカッターで切り取られているほか、韓流スターが掲載された女性誌はあまりにも被害が多いことから購読を中止にしました。宮内課長は「一部に不心得者がいる。その人たちが以前に比べ多くなったのではないか。公共性に関心を持たないというか、自分さえよければ良い、そういった人が増えているかなと思う」と話します。
図書館のモラル低下は他の自治体の図書館にも及んでいます。ICタグなど巨額を投じなければ本を管理出来ない状況が続けば図書館の存続自体を見直す自治体も出てくるかもしれません。
ICタグですが、手続きをしないと出入口ゲートで反応して大きな音が鳴る仕組みになっています。CDショップなどではよくみかけるシステムですが、区内の図書館全てがこのシステムになるのは23区で初めてだということです。こんなことをしなければならないモラルの低下はさびしい限りですね。
技術協力 :
TFMインタラクティブ
動画を見るには、 Windows Media Player が必要です。
サイトに関するお問合せは
こちら
まで。
Copyright(c) Tokyo Metropolitan Television Broadcasting corp.Tokyo Japan All Rights Reserved.