日本看護協会(日看協)は24日、交代制勤務の看護師の23人に1人、全国で推計約2万人の看護師が、月60時間以上の時間外勤務をして過労死の危険水準にある、とする初の勤務実態調査結果を公表した。
1万人の病院看護師を対象に08年10月の勤務状態を調べ、約3000人から回答があった。1カ月の時間外勤務時間は平均23.4時間で、30時間超が全体の約21%、60時間超も約4%いた。年齢が若くなるほど時間外勤務は長くなり、疲労を訴える割合も20代が最も高かった。
勤務内容では、残業以外にも「前残業」と呼ばれる始業前の受け持ち患者の状態確認などを8割以上がしており、ほぼ全員が時間外手当の申請をしていなかった。病院看護師の多くは交代制勤務だが、残業と前残業の結果、3交代制の看護師の約3分の2は次の勤務までの間隔が6時間未満になり、数時間の休息で24時間以上の勤務を経験していた。
日看協は「看護師はシフト制で残業が少ないと思われがちだが、長時間労働が医療事故のリスクを高め、若手の離職を招いている」と分析している。
看護師の長時間労働を巡っては、昨年10月に大阪高裁が、過去3カ月の平均時間外勤務が56時間だったケースで過労死を認定している。【清水健二】
毎日新聞 2009年4月24日 19時58分