南アフリカで子どもたちにサッカーボールをプレゼントする取り組みを取材しました。
2010年はFIFAワールドカップの年。
開催予定の南アフリカでは、貧富の差が拡大し続け、サッカーボールすら手に入らない子どもたちがいます。
ある取り組みを取材しました。
アパルトヘイトによる負の遺産として南アフリカ各地に残る黒人居住区。
貧富の差から犯罪が多発し、殺人事件の年間発生件数は、日本の35倍にのぼる。
ワールドカップ開催を2010年に控えた今でも、現地ではサッカーボールすら手にしたことのない子どもたちがたくさんいる。
そこで、ボールの普及とそれに関連する雇用の創出を目指したチャリティーが、2008年春にスタートした。
3,700個のボールを子どもたちにプレゼントしてきた。
最近、ようやく水が使えるようになったケープタウン近郊のプロウフレイ小学校。
学校が始まってから40年たつが、ここの子どもたちはサッカーを知っていても実際にボールに触れたことがなかった。
子どもたちは本物のサッカーボールを心待ちにしていて、チャリティーからボールが贈られると大喜びだった。
小学校の生徒は「サッカーボールをもらえて本当にうれしい。今までは、プラスチックのボールでサッカーしてたから」と語った。
校長は「生徒たちは大喜びです。わたしたちの学校の大ニュースです。サッカーを通じて、他人とのコミュニケーションを学んでほしいです」と語った。
このチャリティー団体は、活動資金をイギリスでの寄付金に頼っているが、世界的な経済危機の影響で、資金集めは容易ではなかった。
チャリティー団体の生産マネジャーは「企業も資金繰りに苦しみ、リストラや廃業するところもある。チャリティーへの基金を増やすのは大変難しいです」と語った。
ワールドカップまであと1年余り。
団体では、アフリカ各国に10万個のボールを贈りたいとしていて、こうした草の根の活動がワールドカップ成功への一歩になるとみられる。
(04/24 13:03)