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イスラエル:ガザ住民「閉じ込め」攻撃 誤爆と公表

 【エルサレム前田英司】イスラエル軍は22日、1月のパレスチナ自治区ガザ地区攻撃でパレスチナ人一家を民家に閉じ込めて攻撃したとされる事件について、民家を武器庫と誤認して攻撃したとの調査結果を公表した。ただ、誤爆を遺憾としながらも、「密集地で、市民が『人間の盾』にされる戦況では起こり得る誤り」などと釈明している。

 事件があったのはガザ市近郊のザイトゥン地区。地元住民は事件後、取材に対し、イスラエル兵によって100人以上が建設中の1軒の平屋建て住宅に集められた末、攻撃されたと証言。当初30人以上が死亡したとみられ、「虐殺」との非難が上がった。死者数はその後、約20人に下方修正された。

 調査報告は、イスラエル軍は同地区にあった武器庫を攻撃する計画だったと説明。しかし、作戦上のミスで隣接する民家を標的にしてしまい、電話による住民退避の警告も武器庫と疑われる建物内の人物に伝えていたといい、実際に攻撃された住民らは知らなかった可能性があるという。閉じ込めたかどうか、などの経緯についての説明はなかった。

 イスラエル紙イディオト・アハロノト(電子版)は軍幹部の話として、「事態は故意や怠慢による結果ではなく、責任を問われることはないだろう」との見方を伝えた。

 今回の調査報告はガザ攻撃で指摘された問題のうち、▽国連施設の被弾▽市民の巻き添え被害▽「白リン弾」の使用--などを軍内部で調べた中間結果。作戦運用は一貫して国際法にのっとっていたと結論付けた。また、初めて「白リン弾」の使用を明確に認めたが、改めて使用実態に問題はないと強調した。

毎日新聞 2009年4月23日 21時35分

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