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裁判員がわかる:/24 公判前整理手続き

 裁判員に選ばれた竹橋剛さん(35)=仮名=は、同じく裁判員になった神田秋子さん(22)=同=と、午後から始まる公判を前に喫茶店で話している。

 秋子さん「証拠がありすぎると困りますよね。だけど、公判が始まる前に争点を整理して、証拠を絞り込む準備をしているんですよ。公判前整理手続きって聞いたことないですか」

 剛さん「耳にしたことがあるな。確か裁判官と検察官、弁護人がそろって、公判が始まる前に話し合うんだよね」

 公判前整理手続きは、裁判員制度の実施に先立ち05年11月から導入された。一般市民が参加する裁判員制度では、法廷の審理を見聞きするだけで、争点の判断をする必要がある。この手続きは、すべての裁判員制度対象事件で行われ、証拠も厳選される。

 剛さん「法廷で意見を戦わせる検察官と弁護士が、納得し合って争点を絞るのは大変なんじゃないの」

 秋子さん「これまでの裁判は最初に証拠が出そろわず、お互いが手の内を探り合っていたから、審理が長期化したんですって。この手続きでは、公判前にお互いが証拠を示して争点をはっきりさせられる。逆に、公判が始まった後だと新証拠を出すのが難しくなる制約もあるそうですけど」

 剛さん「随分詳しいねえ」

 秋子さん「裁判員に選ばれたら大変だと思って、実は予習してきたんですよ」

 公判前整理手続きでは、証拠の採否決定とともに公判期日も指定され、具体的な審理計画が立てられる。裁判員が参加する公判は事前に決まった日程に沿って進められる。

 剛さん「もうちょっと教えてよ。公判ではどんな証拠を見て、判決を考えるのかな」【銭場裕司】=毎週水曜掲載

毎日新聞 2009年4月22日 東京朝刊

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