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県立地域診療センター無床化:一関で知事懇談会 双方持論を展開 /岩手

 ◇住民「ベッド確保を」

 県立地域診療センター5カ所の病床休止(無床化)で、達増拓也知事と地元住民の懇談会が23日、一関市花泉町で開かれた。参加した住民ら約80人は「(設置主体は)官民問わない。ベッドを確保してほしい」などと訴えた。知事は「医療崩壊に歯止めをかけるには、住民にも努力が必要だ」と、双方が持論を展開、議論はかみ合わないまま終了した。達増知事は今後1カ月かけ、県内4カ所でも同様の懇談会に出席する。

 懇談会最初のこの日、達増知事が医師不足など無床化の背景を説明した。この後、参加者が発言した。地元医師でつくる花泉町医友会の佐藤誠之会長は「無床化後の混乱はない」としつつ、「最期の苦痛を除くにはベッドが必要だ」と述べた。このほか住民からは、「民間移管と言うが、町内の医療機関は経営が成り立たなかった」といった不安の声もあがった。

 懇談会後、達増知事は「混乱がないと伺いホッとした。県の政策をより伝える必要性は分かった」と述べた。

 一方、無床化に反対してきた「花泉地域の医療と福祉を守る会」の阿部一仁事務局長は「我々の運動を理解していない」と反発。民間介護施設への活用を求める花泉町行政区長会の千葉政吉副会長は「足踏みの議論ばかりで消化不良だ」と述べ、いずれも不満を残した。

 県医療局は4月、5地域診療センターの各19病床を無床化、入院受け入れを取りやめた。【山口圭一】

毎日新聞 2009年4月24日 地方版

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