2009年4月23日
小室被告 異例の対面謝罪 被害者は不信感「情けない」
ひたすら謝罪する音楽プロデューサーに対し、被害男性は厳しい態度を崩さなかった。23日、大阪地裁で開かれた小室哲哉被告(50)の第3回公判。執行猶予付き判決にいちるの望みをつなぐ小室哲哉被告は被告人質問で、こわばった表情のまま許しを請うように謝罪と反省の言葉を繰り返したが、証言台に立った被害男性は不信感をあらわに。裁判長は小室被告に対し異例の「対面謝罪」を促した。
細身の黒いスーツ上下にネクタイ姿の小室被告がぺこりと頭を下げながら入廷。全盛期の90年代、金髪や茶髪だった髪の色はすっかり黒く染め直され、神妙な態度だ。
被告人質問に続いて行われた被害男性の証人尋問は厳しい内容だった。
遮蔽(しゃへい)板に隔てられた被害男性は、小室被告が一度は謝罪して返済を約束したにもかかわらず債務不存在を主張して民事訴訟を起こし、和解期日にも英国のロンドンで豪遊していたと指摘。「人間として最も大事な優しさを失ってしまった」と断罪した。
一方の小室被告。証人尋問後、裁判長から「あなた自身から話したいことは」と言われて立ち上がった。「謝るならもっと近くに寄って」と諭す裁判長。小室被告は被害男性の方に近づき、おずおずと話した。
「大変なご迷惑を長い間かけてしまって申し訳ありません。気持ちが少しでも和らぐような人間になりたいと心から思います」
謝罪の言葉を聞いた被害男性は「人としての優しさや友情を裏切られて情けない。優しさが感じられない。刑を全うしたら真人間に戻ってほしい。それからだと思います。それから音楽家として成功してほしい」と応じた。
裁判長から「小室被告の気持ちは受け止めるか」と尋ねられると、「おわびしている気持ちは受け止めているつもり」と答えた。
公判の冒頭、弁護側は3月末に小室被告が被害男性の代理人あてに謝罪の手紙を郵送したが、開封されないまま送り返されたことを明らかに。小室被告は「放漫な生活で破綻(はたん)に陥り、大きな過ちを犯した」と弱々しい声で謝罪文を読み上げ、被告人質問でも「一から出直して、純粋な音楽家に戻りたい」と再起を誓った。
【写真説明】著作権譲渡をめぐる詐欺事件の第3回公判で、大阪地裁に入る音楽プロデューサーの小室哲哉被告=大阪市北区(飯田英男撮影)
(2009年4月23日 16:07)
Category:社会
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