ディズニーランドと宗教 【村中】

( 平成21年01月23日 )

投稿者: 村中  


複数の方にレスポンスいただきました。ありがとうございます。

>あえて率直に申し上げます。 村中氏がよく引き合いに出すTDLがある宗教団体の傘下にあるという噂により、ついつい氏も影響を受けているのではないかと疑ってしまったのです。

ある宗教団体とは創価学会のことであると推察されます。
結論から書きますが、ディズニーランドは創価学会の影響を全く受けておりません。

確かに創価大学出身の社員や創価学会の信者である準社員の方が多く働いているのは確かです。 名称は忘れましたが県民デイのように、政教新聞読者の方々に期間限定の割引チケットを出しているのも事実です。

しかしながら、ディズニーランドで働いたり、パークで楽しんだりする際に 「 創価学会 」 が表にでることは100%ありません。 経営陣の意思決定に影響を与えることもありません。

反対に社員であれ、来園されたゲストであれ、ディズニーランドの哲学や思想を快く受け入れてくれています。 この事実は創価学会に限りません。 パークにはイスラム教の信者も訪れてくれます。 礼拝のために 「 メッカの方向を教えて欲しい 」 というゲスト用に礼拝する場所も決めてあります。

このように、ディズニーランドの哲学や思想はあらゆる宗教や政治的なイデオロギーの違いを超えて受け入れられています。このことは以下のことを意味します。

それは、「 世界中の人々がディズニーの哲学や思想に合わせれば紛争やもめごとはなくなる 」 ということです。

社会のディズニーランド化をディズニフィケーションと言います。 朝日新聞は12月30日の1、2面にこのように書きました。

<引用開始>
朝日新聞ディズニーランドルポにっぽん 12月30日朝刊一面・二面
「不況 ミッキーを求めて」
「居るだけでいい」癒しの聖地 
「お上」より信じられる

ミッキー人気が世界に広がったのは1929年に始まる世界恐慌の大恐慌の時代だと、これは10年前に米ディズニー本社で当時の幹部から聞いた。つらい時代、人はミッキーに癒されたのだ、と。

そして今、日本は「未曾有の」なる言葉が飛び交う苦境にある。経済ばかりではない。首相は立て続けに政権を放り出し、霞が関は年金問題の不始末その他でいかにも頼りなく、良くも悪くも日本を回してきた「お上社会」はお上総崩れで立ち行かない。

安心、安全、質の良さ。ディズニーというブランドは、お上が失ってしまったものを一手に引き受けている感がある。今や公的機関の色さえ帯び、その信頼度は群を抜く。

書店には「ディズニーに学べ」式の本が並び、ディズニー主催の企業や団体向け研修会に官庁職員も来る。

「この場所に居るだけでいい。周りはみんな笑顔だし癒されますよね」
年一度、必ず来ると決めていると二人は言った。これはもう幸せの確認作業、TDLはある種の神聖さを帯びてそうした人々を引き寄せる。

能登路氏(能登路雅子東大教授)は格差社会を映して「自分はまだ大丈夫という自己確認の場になっている」と見る。

ミッキーが日本を癒して回れば、派遣元たるオリエンタルランド社側が癒されたこともある。正確には、この会社が障害者雇用のため設立した子会社が主舞台だが、そこで作業する人たちが言葉を交わしたのは天皇夫妻である。一年前、障害者週間にちなんでのことだった。
<引用終了>
http://www.olc.co.jp/news_parts/20071221_01.pdf
http://www.mbs.olc.co.jp/

以前にも書きましたが、勤勉で繊細な心を持つ日本人の磨き上げたディズニーランドのマニュアルは今や、本家のマニュアルを超えアメリカのディズニーランドやMBAでも活用されているのです。

宗教やイデオロギーの違いを超えて受け入れられるディズニフィケーションを本気で考える時期に来ている、私はそう考えます。