財務省は、都道府県別の医師数を指数化したところ最大で4・5倍の格差があったとする試算を、21日開いた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で示した。財政審は今後、深刻な医師不足の解消や効率的な医療費の配分には、医師の偏在の是正が不可欠として議論を進める。
同省は、06年度の面積当たりの医師数と人口当たりの医師数を、都道府県別に全国平均を1として指数化。二つの指数を一つに組み合わせて比較した。その結果、医師数が多く、最も指数が高かったのは東京都の3・19で、大阪府(2・43)、神奈川県(1・53)と続いた。一方、最も低かったのは0・7の茨城県で、岩手、青森両県は0・74。東京と茨城の格差は4・5倍に上った。
財務省によると、ドイツでは地域や診療科目別に開業できる医師の定員を定めている。財政審では、こうした規制を使った改善策を検討するほか、病院勤務医と開業医の給与格差にも問題があるとして、診療報酬の改定のあり方なども議論する方針。【平地修】
毎日新聞 2009年4月22日 東京朝刊