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スリランカ政府軍、武装勢力LTTEへ総攻撃を警告

2009年4月21日10時21分

写真:スリランカ北部で、反政府武装勢力の支配地域から脱出する市民ら(20日のテレビ映像から)=AP
スリランカ北部で、反政府武装勢力の支配地域から脱出する市民ら(20日のテレビ映像から)=AP

 【ニューデリー=武石英史郎】スリランカ国防省は20日、反政府武装勢力「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」が立てこもる同国北部の約20平方キロの地域から、政府軍の攻撃を防ぐための「人間の盾」にされていた3万人以上の市民が脱出したと発表した。これを受けて政府軍はLTTEに、21日正午(日本時間同日午後3時半)までに投降しなければ総攻撃に乗り出すと通告した。

 ただ、地域内にはまだ多くの市民が残っているとみられており、巻き添えが懸念されている。

 国防省は20日、脱出する市民の映像を公開した。わずかな荷物や幼児を抱えた多くの家族が、列をなしてラグーン(潟湖(せきこ))を徒歩で渡る様子が映し出されている。同省によると、脱出する市民にLTTE戦闘員が自爆攻撃をし、17人が死亡したという。

 一方、LTTE寄りのウェブサイト「タミル・ネット」は同日、政府軍の攻勢で地域内の死者数が千人を超えたと主張。散乱する遺体や、横たえられた負傷者らの写真を掲載した。

 国連は、今回の大量脱出前の段階で「人間の盾」は10万人以上と推定。一方、政府軍高官は20日、国営テレビに対し、地域内には少数の市民しか残っていないとの見方を示した。

 少数派のタミル人らで組織するLTTEは、政府軍と長年にわたり武装闘争を続けてきたが、政府軍は今年に入ってLTTEの拠点を相次いで制圧するなど、攻勢を強めていた。

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