19年前、栃木県で4歳の女の子が殺害された、いわゆる「足利事件」をめぐり、無期懲役が確定した受刑者が裁判のやり直しを求めている問題で、女の子の衣服に残った体液と受刑者のDNAの型を再鑑定した結果、一致しない可能性が高いことが関係者への取材で分かりました。
これは「足利事件」の「犯人」として無期懲役が確定した菅家利和受刑者(62)から、20日にJNNに届いた手紙です。
「(DNA再鑑定で)私の無実がわかると思います。これで再審無罪になると確信致しました」
「足利事件」は1990年5月、栃木県足利市で当時4歳の女の子が誘拐され、殺害されたものです。菅家受刑者は、女の子の衣服についた体液のDNA鑑定が決め手となり、殺人などの罪で2000年に無期懲役が確定しました。
「私は刑事達が怖くなって、やりましたといってしまったのです」
菅家受刑者側は、当時のDNA鑑定は、現在の鑑定技術からすると精度が劣り疑問があるとして、裁判のやり直し求めています。これについて東京高裁は、去年12月にDNAの再鑑定を認める決定をし、鑑定人が最新技術でDNAの型を調べていました。
関係者によりますと、この再鑑定で、女の子の衣服についていた体液と菅家受刑者のDNAの型が一致しない可能性が高いことがわかりました。東京高裁は今後、報告を受けて裁判のやり直しを認めるかどうか決定する事になります。(21日10:52)