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社会
足利事件 DNA型一致せず、菅家受刑者と遺留物(4月21日 05:00)足利市で一九九○年五月、保育園児松田真実ちゃん(4つ)を殺害したとして、殺人罪などで無期懲役が確定した元幼稚園バス運転手、菅家利和受刑者(62)が無罪を訴えている再審請求の即時抗告審で、DNA再鑑定の結果、菅家受刑者のDNA型が真実ちゃんの着衣に付着していた体液と一致しなかったことが二十日、捜査関係者への取材で分かった。有罪の決め手となった鑑定と別の結果が出たことで、再審開始の可能性が出てきた。東京高裁は、月末に結果の正式報告を受け、再審開始の可否を決定する。 高裁は昨年十二月、真実ちゃんの半袖下着に付着した体液と菅家受刑者の血液などを比較し、DNA型が同じかどうか嘱託鑑定することを決定。検察側、弁護側双方が推薦した鑑定人二人を任命した。 鑑定人らは一月、自治医大で真実ちゃんの下着を切断、試料として受け取り作業に着手。同月、鑑定人らは菅家受刑者が収監されている千葉刑務所で、菅家受刑者の血液と口腔粘膜を採取。今月末をめどに結果を高裁に提出する予定で、鑑定作業を進めていた。 下着に残っていた体液の量が少なく、保存状態も悪かったため、「鑑定不能」となる可能性も指摘されていた。 関係者によると、検察、弁護側双方の鑑定結果で、真犯人が残したとされる真実ちゃんの下着に付着した体液のDNA型と菅家受刑者の型は一致しなかったとみられる。これにより、確定判決が見直される公算が出てきた。 高裁は今後、検察側、弁護側と三者協議を行うなどして、再審開始の可否を決める。今後の高裁の判断に注目が集まる。
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