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SFCG担保物件、格安で斡旋 親族企業に172億円分(1/2ページ)

2009年4月21日3時0分

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 2月に経営破綻(はたん)した商工ローン最大手、SFCG(旧商工ファンド)が破綻前の4カ月間に、融資の担保にとっている顧客の土地や建物のうち一部の物件を、大島健伸会長の親族会社2社へ、破格の安値で売却するよう斡旋(あっせん)していたことがわかった。借金が残っているのにSFCGの抵当権を外した物件もあった。同社の過払い利息問題に取り組んでいる弁護団は、会社法違反(特別背任)や民事再生法違反(詐欺再生)の疑いがあるとして、大島会長の刑事告発を検討している。

 朝日新聞の入手したSFCG社内文書などによると、少なくとも担保の不動産50件が、債務残高172億7820万円の約2割の33億2249万円という安値で親族2社へ売られた。うち16件は抵当権が外され、その分の債務残高は76億6900万円に上る。

 SFCGに元借り手が払い過ぎた利息の返還を求めている日栄・商工ファンド対策全国弁護団は、親族会社がSFCGの破綻処理と直接的には無関係であることから、一連の取引を通じて(1)親族会社は、抵当権の外れた不動産を格安で確保した(2)SFCGは、貸し出し債権の担保を抹消したことで回収のリスクを増大させた――と指摘。「破綻すれば、SFCGの資産は債権者へ渡ってしまう。このことを恐れて、大島会長は親族企業への売却を斡旋し、不当な利益を得ようとしたのではないか」とみている。SFCGの保全管理人もこうした事実関係を把握、調査しているもようだ。

 担保物件を買ったのは「IOMA(イオマ) BOND(ボンド) INVESTMENT(インベストメント)」(東京都)と「KEホールディングス」(同)の2社。ともにSFCGの連結子会社ではなく、大島会長の妻ら親族が代表取締役を務める。

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