<データ読解>自転車盗は西高東低――昨年の“発生率”

 
              
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<データ読解>自転車盗は西高東低――昨年の“発生率”

2008/12/15配信


自転車盗難発生率の分布は“西高東低”――。手軽な移動手段として関西でも幅広い年齢層に利用されている自転車。大阪、京都、兵庫などの関西各府県では盗難事件も関東に比べて多く発生していることが、警察庁がまとめた統計などで分かった。

 警察庁によると、2007年の自転車盗難事件の認知件数は1位が東京都(約5万9000件)で大阪府(約4万2000件)、埼玉県(約3万1000件)と続いた。関西の府県では兵庫県が7位、京都府が10位に入った。

 これらの認知件数を都道府県別の自転車保有台数(07年)で割ってみる。件数はいっぺんに複数台盗まれた場合でも1件と数えるため、盗難台数とは一致しないが、大まかな“発生率”として試算したところ、1万台当たりの盗難件数は京都府が約80.5件でワースト2位に。兵庫が約71.3件で4位、大阪が8位、和歌山が10位と関西の府県が上位にランクインし盗難発生の多さが裏付けられた。

 関西の警察本部などは不名誉な記録の解消に向け、地域のパトロールの強化や商店街・住宅街での不審者情報の提供の呼び掛けなど対策を強めている。ただ、盗難事件の多さに対する関西の利用者の危機感はもうひとつなのが実情。大阪府と京都府、兵庫県では、今年10月までに認知された盗難事件のうち4―5割は、被害にあった自転車にカギがかかっていなかった。

 自転車博物館サイクルセンター(堺市)の中村博司事務局長(60)は「破格に安い自転車が最近、多く出回っていることが、無施錠のままの放置につながっているとみられる。特に関西では『まぁいいや』『大丈夫だろう』というおおらかな気質がマイナスに作用しているのでは」と指摘する。

 府警幹部は「自転車盗の犯人が盗難自転車を使い、ひったくりなどのほかの犯罪を引き起こす可能性もある。『盗まれてもいい』などと思わず、地域の防犯のためにもきちんと施錠して駐輪するよう心掛けてほしい」と話している。
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