東京の五輪開催能力を評価  ＩＯＣ、視察終え総括会見

　２０１６年夏季五輪の立候補都市を現地調査する国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）の評価委員会は１９日、東京視察を終えた。ムータワキル委員長は総括の記者会見で「東京のビジョンやコンセプトに大変感銘を受けた。五輪を開催できることが分かった」と述べ「世界一コンパクトな五輪」などを計画に盛り込んだ東京の開催能力を評価した。

　ただ同委員長は、今月初めに調査したライバル都市のシカゴについても同様に評価する発言をしており、２都市には優劣をつけない形となった。

　評価委の会見を受け、石原慎太郎都知事は「東京の卓越したビジョンとコンセプトを理解いただいた。大変満足している。成功裏に終わった」と満足感を示した。

　陸上の女性五輪金メダリストでモロッコ人の同委員長は、半径８キロ以内にほとんどの競技会場を配置した計画を「非常にコンパクトだ」と評し、大会が赤字になった場合の財政保証など、さまざまな政府保証が示されたことにも言及。「東京都の石原知事による強いかかわりが分かった」と述べた。一方で、「これから注意深く（計画を）精査する」と繰り返し発言し、具体的な内容の説明を避けた。

　評価委は２０日に離日。２９日からリオデジャネイロ、５月５日からマドリードを調査する。開催地選びの重要な資料とされる調査報告書をまとめ、開催地を決めるＩＯＣ総会（コペンハーゲン）が開かれる１０月２日の１カ月前までに公表する。