2009年4月16日21時56分
【北京=峯村健司】中国軍が初の国産空母の建造を予定している上海・長興島にある造船工場が完成し、稼働態勢を整えたことがわかった。香港を拠点に活動する中国の軍事動向に詳しいシンクタンク「漢和情報センター」が確認した。大型クレーンのほか、溶接に必要な大型発電機や酸素供給装置が完備されており、いつでも建造に着手できる状態だという。
同センターは、長興島で空母建造を計画している「上海江南長興造船」工場内部の写真を東欧筋から入手。欧州の軍事・造船専門家らに分析を依頼した。約600トンを牽引(けんいん)できる大型クレーンが配備されており、5万トン級の中型空母が建造可能。クレーンの配置から、高度な技術が求められる船体を分割した製造法が採用されると分析している。
ドックは約350億元(約5075億円)かけて整備され、作業員用の集合住宅も周辺にできた。出入り口を武装警察が厳重に警備しており、一般の人間は入れない。
同センターの平可夫代表は「米国などの水準に匹敵する高度な技術を持つ大型工場だ。中国軍が近く正式発表する可能性が高い」とみる。