「益田の医療を守る市民の会」(森田泰精会長)は26日午前9時半から、益田市有明町のグラントワ小ホールで「医療崩壊を起こさせない為(ため)に市民皆で考えるシンポジウム」を開催する。参加無料。
深刻化する医師不足や里帰り分べんの休止など、益田市を取り巻く医療を考える上で、同会が「まずは今、何が起こっているかを知ることから始めたい」と企画した。
シンポジウムは2部構成。第1部は、益田保健所の中川昭生所長が、益田地域の医師不足の現状を報告。次いで、兵庫県の丹波新聞社の足立智和記者が「兵庫県立柏原病院の小児科を守る会」の取り組みについて話す。
守る会は、医師不足による産科・小児科の存続の危機に対し、子育て中の主婦らが立ち上がり、結成された。「コンビニ受診を控える」「かかりつけ医を持つ」「医師に感謝の気持ちを伝える」の三つのスローガンを掲げ、時間外受診が減少する効果が上がったほか、姿勢に共感した大学病院から小児科医の派遣が決まり、小児科存続の礎となった。第2部では5人のシンポジストを迎え、それぞれの立場から意見交換する。
市民の会事務局の杉原幸江さんは「行政や制度の問題とするだけでなく、自分たちにもできることがあるはずで、それを一緒に考えていきたい。そのきっかけになれば」と話す。当日の無料託児(24日までに予約が必要)もある。託児予約、問い合わせは、市民の会事務局の吉田保育所(0856・22・1730)。【上村里花】
毎日新聞 2009年4月17日 地方版