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近畿医師会連合
地域医療の危機を図示
近畿の医療供給状況が一目瞭然に
2009.4.13
近畿医師会連合の地域医療担当理事連絡協議会はこのほど、1月に実施した「地域医療の現状および医療崩壊に対する調査」の結果をまとめた。主務地の京都府医師会が各府県医師会の協力を得て2府4県の郡市区医師会(146医師会)、職域医師会(2医師会)などを対象にアンケート調査した。各々の結果を近畿の2次医療圏を俯瞰したマップで図示。近畿の医療供給状況の現状が一目で分かる報告書を策定した。
●充足度高くても安定感なく
アンケートには、136医師会(91.9%)が回答。具体的な回答は、各郡市区医師会が現時点での当該地域状況の印象を答えているもので、厳密な地域データなどを基にしたものではないが、診療科目ごとの充足度などは地域差が表面化している。
主な結果をみると、「急性期医療・一般医療」では、「入院受け入れ状況の5年前との変化」について64.8%が「悪化、やや悪化」と回答したが、地域差も大きい。不足している診療分野は、産科・小児科に不足感が強く、認知症拠点、在宅医療支援などはニーズの拡大に伴って不足感が高まっている。これも周産期救急を除いて地域間で差がある。
「医療崩壊の具体例」では、83医師会が「経験あり」と回答。多くが公立病院など、基幹的役割を果たしている施設の閉院や縮小に伴うものだった。協議会では、「比較的に充足度が高い内科でも、公立病院の廃止などでは一気に瓦解してしまう危険をはらむ。現状はどの診療科も危ういバランスの上に立っている」との認識も示された。
こうした地域医療体制の確保に向けて、81の地域医師会は「具体的な取り組みを行っている」と回答。病診連携協議会の設置、地区医師会員の病院への派遣、輪番制度の維持、救急システムへの積極的参加などの報告が示された。
協議会では、「かなりの医師会が実行しているのに無力感がある」として、国や市民に対する情報発信などの必要性の指摘もあった。報告をまとめた京都府医の北川靖理事は、「地域医師会の生の声を分かりやすくまとめたもので、実態を反映していると思う。特に医療費抑制が入院制限など地域医療に強い影響を与えていることを図で理解してほしい」と強調している。
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