御殿場市で01年9月、当時15歳の少女を少年が集団で強姦(ごうかん)しようとしたとされる事件。強姦未遂罪に問われ、1審、2審とも有罪判決を受けて上告中だった4被告(当時16~17歳)と、その後輩にあたる男性被告(当時16歳)に対し、最高裁第1小法廷は15日までに上告棄却を言い渡した。事件から約7年半。冤罪(えんざい)を訴えてきた被告たちに、司法は有罪を突きつけた。4被告の沼澤龍起弁護士は同日「再審請求を検討する」と話した。
この事件を巡っては、少女が公判の途中で被害にあった日を9月16日から9月9日に変更。少女の携帯電話の通話記録から、16日に別の男性と会っていたことが後に判明したためだった。
弁護団は裁判で少女の供述の信用性について強い疑義を訴え、被告たちの供述についても「捜査機関の誘導があり、信用性がない」と主張していた。
一方で1、2審判決とも捜査機関の供述の誘導や、裏づけ捜査の不備を認めはしたが、少女の供述や被告たちの供述について「根幹部分は信用できる」と認定していた。
4被告は05年10月に地裁沼津支部で懲役2年の判決を受け、控訴。07年8月に東京高裁で懲役1年6月の判決を受けた。男性被告は04年3月、少年審判で無罪にあたる不処分となったが、検察側の抗告が認められて起訴され、07年5月に同支部で懲役2年6月、執行猶予4年の判決を受けた。08年9月、東京高裁に控訴を棄却されていた。【山田毅】
毎日新聞 2009年4月16日 地方版