2009年4月15日23時30分
食品を中心とした中堅スーパーの09年2月期決算が15日、出そろった。多くの消費者が不況で外食を控え、食材を買って家庭で調理する「内食回帰」を強めたが、値引き競争や経費削減の成否によって業績に明暗が出た。
イオングループ傘下のマルエツ(東京都豊島区)の09年2月期の連結決算は、2期連続で営業最高益を更新した。「ダイナマイト市」と銘打った生鮮品の特売日をもうけるなどして、「お客にマルエツは安いという意識を持ってもらえた」(高橋恵三社長)。
関西と首都圏を中心に展開するライフコーポレーションは、5期連続で営業最高益を更新した。岩崎高治社長は、「商品の値頃感は出すが『何千品目の値下げ』はしない。品切れさせないなど基本を徹底して客数を保つ」と話す。
一方、イズミヤ(大阪市)は食品部門は前年を上回ったものの、衣料品部門が不振で営業減益となった。関西を地盤とするオークワ(和歌山市)は、食品の売り上げは堅調だったが、新店出店の費用をカバーできず、営業減益となった。
関東でチェーン展開するイオン傘下のカスミ(茨城県つくば市)は、食品主体の売上高は伸びたが、値上がりした電気代などのコスト負担をカバーできず営業減益に。エコス(東京都昭島市)も営業利益が減った。(五十嵐大介)