都道府県別で臨床研修医定員に上限を設定する厚生労働省の臨床研修制度見直し案に対し、府などは13日、府内では30%の削減となる定員設定の撤回などを求める山田啓二知事と府内26市町村長の連名の意見・要望書を厚生労働省に提出した。山田知事は同日の定例記者会見で「そもそも医師不足の引き金は(04年度からの)制度改悪。人災の上に人災を重ねるのか」などと強く批判した。
08年度採用実績で274人の府内の研修医が見直し案では190人に減る。山田知事は医師不足の現状を「中央官庁の失敗施策の見本」と指摘した上で、今回の見直しを「府の地域医療の崩壊の危機。責任転嫁も甚だしい」と語気を強めた。府立医大の運営に府が一般財源から毎年100億円超を支出していることなどを強調し「国の力不足で府は医師を自前で養成しているのに、他府県にどうぞとなると努力しなくなる」と述べた。
また、府医師会や京都大、府立医大、行政の代表者らでつくる府医療対策協議会も「府立医大や京都大からの他府県も含めた派遣実績を考慮し、定員を純増すること」などを求める意見・要望書を作成。この日、府の浅田良純・健康福祉部長と同協議会座長の井端泰彦・前府立医大学長が、同省の外口崇・医政局長にそれぞれ文書を手渡した。【太田裕之】
毎日新聞 2009年4月14日 地方版