「2年連続未曽有の巨額赤字」−健保連
健康保険組合連合会(健保連)は4月10日、健保組合の今年度の経常収支の赤字額が6152億円と、過去最大ととらえていた2008年度とほぼ同水準の大幅な赤字となるとの推計を発表した。経済危機の影響を受け、被保険者の給与・賞与が下がり、さらに厳しい状況になるとみている。対馬忠明専務理事は記者会見で、「08年度が過去最悪の赤字と申し上げてきたが、非常に残念ですけれど、2連続の未曽有の巨額赤字というのが現在の健保組合全体の集計結果」と語った。
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推計は、健保連に加入する1485組合のうち、今年度の予算について報告のあった1304組合の数値を基に行われた。
加入組合全体の赤字額は、08年度とほぼ同水準の6152億円に上る見通し。赤字組合は08年度からさらに拡大し、全体の91.56%、1360組合になると推計した。全体の組合数は17組合減少するとした。
また、平均標準報酬月額は08年度予算とほぼ同水準だが、平均標準賞与額は9.47%減と大きく減少した。対馬専務理事は昨今の経済・雇用状況を反映したものとしながらも、「実態はもっと厳しいのではないかと憂慮している」と述べた。
また保険料率は、前年度比0.046ポイント増の平均7.412%で、協会けんぽの8.2%を超える組合は241組合(18.5%)。対馬専務理事は「協会けんぽを超えると、事業主あるいは被保険者に対して、さまざまな説明を求められる。説明して納得していただけるか」などと語った。
対馬専務理事はさらに、「後期高齢者支援金」「前期高齢者納付金」の負担の大きさを指摘。今後も、厳しい経済状況の中、高齢化により支援金・納付金などによる負担が増加すれば、さらに組合財政は厳しいものになるとして、「医療制度改革が当然望まれる」と強調した。
更新:2009/04/11 00:03 キャリアブレイン
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