京都放送局

2009年4月14日 10時2分更新

「研修減で医療崩壊の危機」


地方の医師不足を解消するとして大都市で臨床研修の募集定員を大幅に減らすという国の方針について、京都府の山田知事は、記者会見で、「中央官庁の失敗で起きた医師不足がさらに深刻化し、地域医療は崩壊の危機に直面する」と厳しく批判しました。

この問題は、5年前に始まった臨床研修制度で若い医師が研修を受ける病院を選べるようになり、地方の医師不足が深刻化したことから、厚生労働省が研修の募集定員を見直す方針を示したもので、これによって京都府では、去年の採用実績より30%余り減らされ、削減の幅が全国でもっとも大きくなります。
これについて、山田知事は13日の記者会見で「医師不足は臨床研修制度の改悪から始まり、中央官庁が行った失敗施策の見本みたいなものだ」と述べました。
その上で「府内でも医師が偏在する中で、研修医が減らされれば、地域医療は崩壊の危機に直面する」と述べ、「人災のうえに人災を重ねるのか」と厳しく批判しました。山田知事は、▼医師を地方に配置するための手段が示されていないことや、▼府立大学で独自に医師を養成してきた努力が評価されていないことに問題があると指摘しました。
この問題をめぐっては、医療関係者で作る協議会のほか、京都府と府内26のすべての市町村が撤回を求める意見書をまとめ、13日厚生労働省に提出しました。