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李大統領「韓日関係を後戻りさせるわけにはいかない」

歴史教科書問題で麻生首相に「慎重な対処」求める

 タイを訪問していた李明博(イ・ミョンバク)大統領は、同国の反政府勢力の激しいデモを受け「ASEAN(東南アジア諸国連合)+3(韓国・中国・日本)」の首脳会談が中止となった今月11日午後、韓中、韓日の2カ国および韓中日3カ国の首脳会談を相次いで行った後、予定を早めて12日早朝に帰国した。

 李大統領は日本の麻生太郎首相との会談で、「歴史認識問題などで韓日関係にひずみが生じる出来事があったが、韓日関係を後戻りさせるわけにはいかない。日本もその点を深く認識し、誤解を生むことのないよう慎重に対処することを望む」と求めた。

 李大統領は会談の最後に、「一言言いたいことがある。よく聞いていただきたい」と前置きして、このように述べた。これに対し麻生首相は、予想外の発言に戸惑った様子で、特にコメントすることはなかったという。

 今年に入り、李大統領が日本の歴史歪曲(わいきょく)問題に対し公の場で言及したのは今回が初めてだ。これは日本政府が今月9日、植民地支配を正当化した自由社発行の中学校用歴史教科書を、教科書検定で合格としたことに対し強い遺憾の意を表したものだ、と大統領府は説明した。

 一方、大統領府の金恩彗(キム・ウネ)副報道官によると、李大統領は麻生首相、中国の温家宝首相との3カ国首脳会談で、北朝鮮の(長距離弾道ミサイルに転用可能な)ロケット発射に対し、一致して強力なメッセージを北朝鮮に伝えるべきだ、という点で合意したという。

 日本と中国の両首脳は、北朝鮮に対する対応をめぐって意見がかみ合わなかったが、これに対し李大統領は「この問題については、3カ国が一致してメッセージを伝えることが重要であり、そうしてこそ、どんな形であれ効果を生むことができる」と述べた。

 また、李大統領は温首相との会談で、今年の2カ国間の貿易量を昨年と同程度に維持するなど、世界的な経済危機の克服に向け積極的に取り組んでいくことで合意した。

 李大統領が「中国経済の回復は、中国だけでなく韓国、さらに世界全体にもプラスの影響をもたらすことになる」と述べたのに対し、温首相は「2カ国間の貿易の規模を維持するため、通商担当閣僚が随時接触を図るようにしていく」と述べた。

パタヤ(タイ)=朱庸中(チュ・ヨンジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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