優勝したカブレラは2007年の全米オープンで勝ち、アルゼンチンのヒーローになった。彼はそれに浮かれず、恵まれない子供たちへのチャリティーなどを一生懸命やり、ゴルフで成功したことを社会に還元し尊敬されている。
そんな彼に、1967年にアルゼンチンで初めてメジャー大会(全英オープン)を勝ったロバート・デ・ビセンゾがグリーンジャケットを着たカブレラの絵を渡した。ビセンゾは73年にスコア誤記でマスターズ優勝を逃している。「オレの勝てなかったマスターズで勝ってくれ」とのメッセージを込め、それを実現した。心から祝福したい。
4位となった片山は、自分で組み立てたゴルフを忠実にできた結果だと思う。彼は国内ツアーでも戦略をきちんと立てるタイプ。5年連続8回目の今回は綿密にゴルフを組み立て、取るべきホールをきっちり取った。特に最終日の17番でパー、18番でバーディーを取ったのが目を引いた。
彼のプレースタイルがマスターズで変わったように見えた。今までは自分自身のためにプレーするきらいがあったが、昨年25勝の永久シードを獲得したことで、人に夢を与えられるポジションにいることに気づき、どうプレーすべきかと変わってきた。日本のゴルフ界をリードする選手になれるか、ただの強い選手で終わるか、これからのプレーの仕方、発言が楽しみになってきた。(トーナメントディレクター 戸張捷)
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