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ボリビア:大統領がハンスト…法案可決しない野党に抗議

10日、ボリビアのラパスで、ハンガーストライキを続けるモラレス大統領(右)=AP
10日、ボリビアのラパスで、ハンガーストライキを続けるモラレス大統領(右)=AP

 【メキシコ市・庭田学】AP通信によると、南米ボリビアの左派、モラレス大統領(49)が、政府提出の法案を可決しない野党に抗議し、9日から大統領府でハンガーストライキに入った。先住民出身の同大統領は、コカの葉栽培農民の指導者時代に18日間のハンスト経験があるという。法案はいずれ可決されるとみられており、同大統領のパフォーマンスとの見方もある。

 憲法改正に伴い今年12月に実施予定の出直し大統領選・国会議員選などの詳細を決める法案。下院は既に可決したが、野党が多数派の上院では、新たに設けられる下院の先住民枠議席数などで与野党の合意に至っておらず、紛糾している。

 憲法改正は今年1月の国民投票で約65%の高率で承認されており、モラレス大統領は「国民の意思を尊重し、守るため」として、大統領支持派の労働組合幹部14人とともにハンストを敢行。コカの葉をかむ先住民の伝統的な手法と熱い茶で飢えをしのいでいる。医師であるタピア保健相が大統領らの健康状態を監視している。

 モラレス大統領は9日にキューバを公式訪問する予定だったが急きょ中止に。盟友である同国のフィデル・カストロ前国家評議会議長(82)は、モラレス大統領を全面的に支持する論評を発表し、ボリビアのキューバ大使に再三電話をかけ、モラレス大統領の様子を気にかけている。

 現在、中南米ではキリスト教の祝日である復活祭の連休中で、上院再開は13日になる見通し。モラレス大統領の支持者約1000人もハンストを実行しているという情報があるが、同大統領は連帯に謝意を示しながらも「ハンストをやめて復活祭を家族と過ごすように」と呼びかけた。

 AP通信によると、同国では80年代、労働者の激しい抗議行動に直面した当時の大統領がハンストをした例があるという。06年1月にボリビア初の先住民出身として就任したモラレス大統領は、出直し大統領選で再選される見通しだ。

毎日新聞 2009年4月11日 10時39分(最終更新 4月11日 12時52分)

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