スポーツ報知のメインコンテンツへジャンプ

◇…スポーツ報知の購読申し込みは、フリーダイヤル 0120-16-4341(イロ ヨミヨイ) まで…◇

◇…過去の記事は、ご使用のプロバイダのデータベース・サービスをご利用ください。…◇

スポーツ報知>スポーツ>ボクシング

ここからスポーツ報知のメインコンテンツです

名城大逆転V1!1、6回ダウン!それでも倒した8回TKO…WBA世界スーパーフライ級世界戦

3回、冨山(右)の顔面に左フックをヒットさせる名城

 ◆報知新聞社後援 WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦 ○名城信男(8回1分22秒 TKO)冨山浩之介●(11日・大阪府立体育会館) 国内で初めて男女の世界戦が同時に開催された。WBA世界スーパーフライ級王者・名城信男(27)=六島=が、8回TKO勝ちで、王座返り咲き後の初防衛に成功。挑戦者・冨山浩之介(25)=ワタナベ=に1回と6回、ダウンを奪われる苦しい展開も、8回に猛ラッシュ。レフェリーストップを呼び込んだ。日本ジム所属の世界王者は6人。WBA女子世界ミニマム級王座に挑戦した多田悦子(27)=フュチュール=は、王者ソン・チョーロン(22)=韓国=に大差判定勝ち。日本人女子4人目の世界王者となった。(観客3895)

 命運を握ったワンツーが完ぺきに入った。8回50秒ごろ。強烈な右ストレートで冨山の腰を砕けさせ、そのままダウンを奪った。「今しかない」牙をむいた拳が顔面をとらえ、コーナーに追いつめた。レフェリーストップの逆転KO。リング中央に顔をうずめると、婚約者の山田智子さん(27)や家族の顔が浮かんだ。「ああ、結婚できる」―。

 自らがKO予告していた1回の開始45秒。ガードが甘くなったところに左フックを見舞われ、尻もち。プロ初のダウン。3回から5回は巻き返したが、6回にも左で吹っ飛ばされた。「会長にどの顔しよう、と思った。KOしかない、と」相手は好機を逸し、名城は仕留めた。地力の差でベルトを守り抜いた。

 3月21日にジムの後輩・金光佑治(24)が日本王座を奪取。しかし、相手の辻昌健選手が急性硬膜下血腫で3日後に亡くなった(享年30歳)。24日の練習前に悲報を耳にした名城は突然、スパーリングの途中で泣き出した。ショックで体が動かなくなった。

 05年4月、名城が戦った田中聖二さんも試合後、帰らぬ人に(享年28歳)。2度目の悲しみにくれたジムには嫌がらせの電話もかかってきた。だが、沈んではいられない。藤原俊志トレーナー(34)から送られてきたメールには「お前が王者でいることでみんなが救われるんや」とあった。「ジムでも年上の方。責任もあると思いました」名城は精神的にも強くなった。

 29日に挙式する智子さんには「どこかで見ていて」とリングから遠い席に座ってもらった。「結婚のこと、よぎりましたね。1回に硬かったのはそのせいかも」重圧から解き放たれ、腫れた顔でうれしそうに笑った。次戦は指名試合が濃厚だが、しばらくはV1と結婚の幸せに浸ってもいい。

 ◆名城 信男(なしろ・のぶお)1981年10月12日、奈良市生まれ。27歳。近大在学中の2003年7月プロデビュー。06年7月にWBA世界スーパーフライ級王座を初奪取し、辰吉丈一郎に並ぶプロ8戦目の史上最短タイ記録を樹立。08年9月に再奪取。家族は父と弟。プロ戦績は13勝(8KO)1敗。163センチの右ファイター。

(2009年4月12日06時01分  スポーツ報知)

この記事をlivedoorクリップに登録

この記事をYahoo!ブックマークに登録

ソーシャルブックマークに登録

過去1時間に読まれた最新Feペディアランキング
スポーツ報知の出版物 スポーツショップ報知
報知新聞社出版局 スポーツショップ報知