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最終更新:2009年4月12日(日) 18時4分

少数民族「ロヒンギャ」国外脱出相次ぐ

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 「ロヒンギャ」という民族をご存じでしょうか。軍事政権が続くミャンマー西部に住むイスラム系の少数民族ですが、迫害や貧困から逃れるため国外への脱出が相次ぎ、国際的な問題となっています。

 「こっちの傷はこん棒で打たれたもの。もうひとつは、紙と灯油で足に火をつけられたときのやけどです」(ロヒンギャ族の密入国者)

 ミャンマーの隣国、タイ南部にある国境の町、ラノンの病院にミャンマーで虐待され、逃亡してきたというロヒンギャ族の密入国者が入院していました。

 イスラム系の少数民族ロヒンギャは、ミャンマー西部を中心におよそ100万人が暮らしているとされますが、軍事政権が少数民族として認定せず、国民としても認められていません。

 近年、軍事政権による迫害と貧困から逃れるため、周辺国へ脱出するケースが急増し、去年、タイ当局が摘発した人数は2006年のおよそ4倍に上りました。

 「私はここ(タイ)で死ぬことを選ぶ。ミャンマーに帰るよりましです」(ロヒンギャ族の密入国者)

 この男性は妻と5人の子どもを残してきたと言います。

 「もうミャンマーには戻れません。戻れば殺される」(ロヒンギャ族の密入国者)

 ロヒンギャ族は小さな舟に乗り、イスラム圏のマレーシアやインドネシアを目指すのですが、周辺国はその対応に苦慮しています。

 今年の1月、タイ海軍が拘束したロヒンギャ族数百人を海上に放置して遭難させた疑いが浮上し、国際社会の非難を浴びました。

 「海軍兵士がロヒンギャを虐待したなんてありえない。ただ、本来の業務ではなく、ロヒンギャを捕まえるのが仕事になってしまい、困っています」(タイ海軍担当者)

 ロヒンギャの問題は2月に開かれたASEAN首脳会議で初めて取り上げられたほか、3月には国連難民高等弁務官事務所のトップがミャンマーを訪問し、軍事政権側に状況の改善を求めました。

 しかし、関係各国の態度は積極的とは言えず、解決への具体的な道筋はまだ開けていません。(12日15:51)