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「ニセ投票用紙200枚用意」 詐欺容疑で逮捕の容疑者

2009年4月12日12時30分

 2月の北九州市議選(定数61)で偽の投票用紙66枚が見つかった事件で、投票用紙をだまし取ったとして詐欺容疑で福岡県警に逮捕された建設業山村速人容疑者(33)が「偽の用紙を幹部から渡された」「計約200枚を用意した」と供述していた。捜査関係者への取材でわかった。山村容疑者が支援した山田国義氏(73)=小倉北区で次点=は前回の市議選でも接戦で落選しており、県警は、山田氏の陣営が組織的に不正な投票で当選を狙った可能性があるとみて調べている。

 捜査関係者によると、山村容疑者は「選対幹部から仕事を融通するからと、正規の用紙を集めるよう頼まれた」と供述。さらに「幹部から偽の用紙を渡された」と話しており、偽の用紙は計200枚くらい準備したという。県警は近く、この幹部から事情を聴く方針。

 山村容疑者が、知り合いの2人=詐欺容疑で逮捕=に偽の用紙を渡し、この2人がさらに知人や職場の後輩らに偽用紙と正規の用紙のすり替えを持ちかけていたという。実際に使われた偽の用紙は一部にとどまったが、山村容疑者のグループで、計30枚以上の正規用紙が集められた、と県警はみている。

 山田氏は85年から7回、市議選に立候補したが、いずれも落選。05年の前回市議選では、135票差で次点となった。県警は、前回惜敗しただけに、選対幹部らが不正をしてでも山田氏を当選させようとした可能性があるとみている。結果的に今回の市議選でも、山田氏は646票差の次点だった。

 市選管によると、市議選は7選挙区とも同じ投票用紙が使われ、うち6選挙区から偽投票用紙が計66枚見つかった。一方で、投票者数より投票総数が多いトラブルが小倉北区で35票分、戸畑区で1票分あった。

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