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【外信コラム】台湾有情 親日は変わらないが
このニュースのトピックス:自民党
先月下旬、台北に赴任したが人々の親切さに心温まる思いをすることが多い。昨年6月に日本の巡視船と台湾の遊漁船の衝突事故が起き日台関係が悪化したが、台湾人の親日ぶりに大きな変化はなさそうだ。
筆者は1990年代初頭から台湾に出張取材を重ねてきたが、駐在するのは初めてである。道行く人に行き先を尋ねたり、マンションの管理人に頼み事をすることもよくある。みんな実に親切だ。
道を聞けば分からないにもかかわらず、こちらが遠慮するまで一緒に探してくれるおじさん。「間違った道を教えた」と、息を切らせて追いかけてくるさっきの若い女性。出勤、帰宅のたびに片言の日本語であいさつをしてくれる管理人。80年代に北京、90年代に香港に常駐したが、こんな経験は初めてだ。
本省(日本統治時代から台湾に住む漢族)系の友人、知人からは、筆者の本紙一面コラム「台湾の国際参加を応援しよう」(3月11日付)への感謝を受けた。李登輝元総統が訪台した自民党の有力代議士にその一節を読み上げた、と伝え聞いた。光栄であると同時に身の引き締まる思いを禁じ得なかった。
ここまできてはたと感じ入るところがあった。本省人の変わらぬ親日ぶりや拙稿への過分の謝辞は、中国の統一攻勢にさらされる彼らの強い孤立感を反映していそうだ。近隣で唯一親日的な台湾を大切にしなければ、との思いを深くする昨今である。(山本勲)
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