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選挙:八幡浜市長選 「魚とみかんのまち」の課題--あす告示 /愛媛

 任期満了に伴う八幡浜市長選は12日告示される。今のところ、現職で再選を目指す高橋英吾氏(68)と新人で元同市議会副議長の大城一郎氏(44)、元同市議会議長の山本儀夫氏(58)の3人(いずれも無所属)が立候補を予定している。無投票だった前回から一転し、三つどもえの選挙戦が予想される。選挙人名簿登録者数(3月2日現在)は、3万3358人。告示を前に「魚とみかんのまち」の課題を取材した。【門田修一】

 ◆港湾・漁港振興

 ◇にぎわいと地産地消目指し

 市が掲げる八幡浜港(港湾・漁港)振興ビジョンは、にぎわいあふれる交流空間を創出し、交流人口の増加、経済活動の活性化を促すのが目的だ。総事業費は約130億円。内訳は、国費約43億円、県費約12億円、市約62億円。市の負担のうち、地方交付税で返ってくる金額を差し引くと市の実質的な負担金は24億円程度という。

 同市沖新田沖の海面約4・6ヘクタールを埋め立て、老朽化した市場をリニューアルすると同時に、高度衛生管理型の魚市場関連施設、新鮮な魚を提供する観光市場、地元の野菜やミカンを提供する特産品販売所やレストランを整備するフェリーターミナル関連施設を設ける。23、24年度の完成を目指している。

 市によると、用地埋め立ては8月末に完成予定という。市水産港湾課の大西力課長は「新鮮な魚、日本一のミカンも一緒に販売するなど、安心安全な地元の特産品を消費者に提供したい」と話す。

 一方、市民の間には、消費者の魚離れもある中で、巨額を投じて整備する必要があるのかという声も聞かれる。

 ◆市立総合病院

 ◇負担減らし医師確保を

 市立八幡浜総合病院では、医師不足の問題が深刻化している。

 医師数は近年最も多かった05年当時38人(内科12人、脳神経外科1人、眼科2人など)だったが、現在は25人(内科は5人、脳神経科と眼科はいない)。大きな原因の一つは、救急患者を年中受け入れ、過重労働を理由に医師の退職が相次いだことだ。

 このため、昨年6月から週に2回(水曜、土曜)は救急受け入れを休止。同市内の救急患者が大洲、宇和島、松山各市などの病院へ搬送されているケースもある。

 同病院の田中正憲事務局長は「03年当時の内科医10人、脳神経外科の医師3人がいれば2次医療を何とか維持できるが、現実的には厳しい数字。地域は高齢者が多く、脳神経外科の症例が多いので、以前の3人体制にしたい」と話す。

 医師を早急に確保すると共に、地域医療を守るためにも医師の負担を軽減する具体策が求められている。

毎日新聞 2009年4月11日 地方版

 
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