嶋田隆司（ゆでたまご）「火事場のクソ力で頑張ってほしい」

　週刊少年ジャンプの黄金期を支え、日本中の子供たちから絶大な人気を得ていた人気マンガ『キン肉マン』。その原作者、ゆでたまご・嶋田隆司先生に“漫画家としての立場”という一風変わった視点でW杯ドイツ大会について話してもらった。スポーツ界におけるナショナリズムは、いつだって国民の興味を惹きつけ、キン肉マンワールドにも“日本vs世界”というシチュエーションが存在していた。「サッカーは詳しくないですよ」と控えめに話し始めた嶋田先生だが、インタビューの最後には、かつて少年たちの共通語だった“あの名セリフ”で日本代表へエールを送ってくれた！！

― W杯の開幕が近づいてきましたね。

　そうですね。これだけサッカーが（日本で）盛り上がるようになるとは思わなかったですよね。

― 嶋田先生とサッカーの関わりというのはありますか？

　ほとんどないですね（笑い）。サッカー選手になりたかったなんてこともなかったですし…。でも、うちの相棒（ゆでたまご・中井義則先生）はサッカーに詳しいですよ。

― とはいえ、W杯ですよ。キン肉マンでもありましたが、“日本vs世界”というシチュエーションは国民の興味を惹き付けますよね。

　うん。国別対抗の大会っていうのは盛り上がりますし、面白いですね。なんか、いろんな国、国民性があるなぁって思いますよ。

― 前回の日韓Ｗ杯の時はどのようにご覧になってましたか？

　テレビでロシア戦とか観てましたよ。でも今は冷戦中のソ連の様に“圧倒的な敵国”という感覚がなくなったじゃないですか。だから、普通に観てましたね。そういう意味では、キン肉マンとかでも（ストーリーを）作りにくくなりましたよね。ソ連＝ウォーズマン＝ヒール役という図式だったんで（笑い）。

― サッカーでマンガに使える要素はありそうでしょうか？

　サッカーでいえば、ブラジルが強いですけど、その『キン肉マン』の全盛期の1980年代に“ブラジル超人”を登場させようとかいう発想はなかったですから（笑い）。中国ならカンフーとかイメージありますけど、「ブラジルの超人が何をするんだ？熱々のコーヒーをぶっかける技とか」ってなりますし、マンガを読む小学生には分かりにくいかもしれないですからね。

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