最終更新: 2009/04/10 01:12

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ソマリア沖でパトロールを続けるイエメン沿岸警備隊に密着しました。

現在、ソマリア沖では海賊対策のため、海上自衛隊の護衛艦が活動中です。こうした中、FNNではパトロールを続ける沿岸警備隊に密着しました。

8日、ソマリア沖でアメリカのコンテナ船が海賊の襲撃を受け、アメリカ人船長がボートで連れ去られた。
いまだに被害がやまぬ「魔の海域」。
その最前線に海上自衛隊の護衛艦が現れたのは、3月下旬のことだった。
護衛艦「さざなみ」がソマリア沖で不審船と遭遇した時の映像には、警備行動から外れる可能性のあった「さざなみ」が大音量で現地のソマリ語で警告し、サーチライトを当てられた不審船が逃げていった様子が映っていた。
ソマリア沖周辺では、各国による海賊の取り締まりが日夜行われている。
今回、FNNは、アデン湾でパトロールを続けるイエメン沿岸警備隊へ同行が許された。
沿岸警備隊がパトロールするのは、ソマリアとイエメンに挟まれ、海賊多発地帯であるアデン湾。
20隻以上の警備艇で24時間態勢で見張るが、警備する範囲はおよそ500km以上と広く、くまなくパトロールするのは難しい。
船がソマリア沖近くにさしかかると、銃を構える乗組員の表情にも緊張感が増してきているようだった。
船の前方には、破壊力の強い重機関銃が搭載されている。
しかし、海賊は機関銃やロケット砲で武装するなど凶悪化しており、警備隊の装備は十分とはいえない。
この日のパトロールでは、不審船は見つからなかった。
イエメン沿岸警備隊のアル・バラティ隊長は「国際社会の努力で、海賊の数は減少している。ただ、今のままでは決していなくならない」と話した。
海賊は最近、手口を変えてきているという。
漁船の上で手を上げ、降伏する海賊たち。
2008年12月、沿岸警備隊はアデン湾でソマリア人の海賊を拘束した。
実は海賊たちは監視の目を逃れるため、イエメン人から漁船を奪い、それを拠点にして次の獲物、商船を狙っていたという。
船からは、ロケット発射装置など武器が見つかった。
アデン中央刑務所には、海賊の容疑で身柄を拘束されたソマリア人22人が収容されているということだが、一様に容疑を否認しているという。
その22人の中には、2008年12月、沿岸警備隊によって拘束された2人がいた。
アブドア・アシズ容疑者は「おれたちは漁師だ。海賊じゃない。2隻の船で海にいたら、突然捕まったんだ」と話した。
容疑者らは、自分は漁師などと容疑を否認している。
アハマド・アリ容疑者は「武器を持っていたが、自分たちの身を守るためだ」と話した。
アデン湾から海賊はいなくなるのか。
荒波の中、船出した海上自衛隊の活動は、始まったばかりだ。

(04/10 00:25)


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